とある福祉の研修(エッセイ)

野口マッハ剛(ごう)

やっとわかったこと

 自分は小学六年生の時にこんな経験をしています。大好きなお母さんがある日を境におかしくなったのです。当時の自分はやんちゃです。大好きなお母さんがおかしくなったのは、自分のせいかな? って思っていました。そして、お母さんはお父さんと離婚、家を出ていきました。自分は傷付いています。お母さんがおかしくなったのは、全部自分のせいだ、と。誰にも言えない感情や気持ちが自分の中で降り積もりました。


 時は過ぎて、現在。つい先日の研修のことです。会場でオンライン講演会、福祉の研修がありました。自分は午前の基調講演を聞きます。コロナ時代のことについての講演でした。自分は午後からも分科会を聞きます。その時でした。とある団体の講演になります。それは精神疾患の親をもつ子どものための団体の講演でした。自分はこの時に真剣に聞きます。代表者の話を自分は真剣に聞きます。ここでは詳しくは書けませんが、その話はとても共感出来ました。自分もお母さんがおかしくなったことを思い出します。そして、次のメッセージが出たときに、自分はちょっと涙が出そうになりました。


 あなたは悪くないし、あなたのせいではない

 あなたの人生を送ってください


 全てはここには書けませんが、つまり精神疾患の親をもつ子どもへのメッセージで、自分は涙が出そうになりました。ああ、やっとわかったこと、それは自分は何も悪くないし、逃げてもいいということでした。自分はこの二日間からなる福祉の研修に出席出来たことに感謝します。やっとわかったこと、お母さん、いつまでも大好きだよ。


終わり

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