ふたつ布団

 手探りで

 そっと

 あたたかな

 君の肌を

 求める


 目を開けても

 暗闇で


 月明かりすらない

 今夜はうらめしい


 ふたつ並べた布団は

 もどかしくて

 やはりひとつに潜り込むのだ

 ぼくは


 ウフフと

 笑う君の吐息は

 甘くて

 なんだか

 きゅんっと

 艶めかしくて


 肌を探り当てるまでもなく

 大胆に忍び込んだ僕を


 君はまるで

 女神のように

 神聖で

 優しく迎え入れ


 たちまちに

 内側から起こるのは

 欲情


 強くぎゅっと

 抱きついてくる君

 しがみつくように


 明日は早いのに大丈夫ですか?

 などと

 問う君に

 答えるように

 かき抱く


 どうせ求めてしまうのだ

 夫婦めおとになっても

 変わらずに


 僕たちは

 飽きることなく

 互いを刻みつけ


 馴染み

 重ねる肌に

 安堵もして


 あたたかい

 やすらぎ

 微かに襲う

 興奮が

 すぐに多量になる


 君のすべてと

 ぼくのすべてと

 好きと愛してるが混ざり合う


 幾度も幾度も





  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る