第537話 竜人能力

不死王 「さて、ここでリューが身につけようとしている竜人特有の技能にについて解説しておこうかの」


ランスロット 「不死王様? 誰と話しているのですか?」


不死王 「なに、ちょっとギャラリーにの。リューが前世で生きていた世界から、この世界を覗いている連中どくしゃが居るようなのでな」


ランスロット 「リューサマの居た世界というと、魔法が存在しない世界だと言っていましたよね? それなのに、異世界を覗き見する事ができるのですか?」


不死王 「うむ。ただの娯楽と思っておるようじゃな、本人達は異世界を覗いておるという自覚はないようじゃ」


ランスロット 「悪意はない? それにしても気持ち悪いですね」


不死王 「ま、面白そうな奴がおったら、死んだ後にこちらの世界に魂を引っ張ってやるのも面白いかもしれんの……ふふふ、何を他人事のような顔をしておる? ほれ、お主、お前の事じゃぞ? 覚悟しておくがよい」


ランスロット 「スケルトン軍団はいつでも新規隊員を募集しております」


不死王 「転生したのにいきなり骨化するんか? まぁそれも面白いが……それはまぁともかくとして。竜人についての解説じゃったの……」


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― ― ― ― ― ― ―

リューが身につけようとしている竜人の技能は、必ずしも戦闘に使う技ばかりではないのだが、大部分が戦闘用なので「竜気闘法」などと呼ばれる事もある。


よく使われる、代表的な技術としては、以下のような種類がある。


竜覚(ドラゴンセンス)

竜鱗(ドラゴンスケイル)

竜爪(ドラゴンクロウ)

竜牙(ドラゴンファング)

竜の息吹(ドラゴンブレス)

竜尾撃(ドラゴンテイル)

竜眼(ドラゴンアイ)

竜拳(ドラゴンフィスト)

竜手刀(ドラゴンチョップ)

竜脚(ドラゴンフット)

竜握(ドラゴングリップ)

竜聴(ドラゴンイヤー)

竜障壁(ドラゴンバリア)

竜翼(ドラゴンウィング)

竜道(ドラゴンハイウェイ)


竜覚ドラゴンセンスは、竜闘気を薄く広範囲に拡散し、その反響を感じる事で状況を察知する事ができる能力である。地球のコウモリやイルカ・クジラが使うエコーロケーションの竜闘気版であるが、エコーロケーションよりも多くの情報を察知する事ができる。


あまり馴染みのない竜気(竜闘気)を使った技なので、この世界ではこれを使っても意外と察知されない。


竜鱗ドラゴンスケイルは、身に纏った竜闘気が物質化するほど濃度が高まったものである。竜闘気を体に纏えば体を保護できるが、その超強力版である。


竜爪撃ドラゴンクロウは、見えない竜の爪のような攻撃である。


竜牙ドラゴンファングは、巨大な見えない竜の噛みつき攻撃のように、圧倒的な力で咬み潰すように働く攻撃である


◇竜の息吹ドラゴンブレスは、ドラゴンの必殺技の代名詞、竜が吐き出す圧倒的な破壊力を持ったエネルギーの奔流である


竜尾撃ドラゴンテイルは、見えない巨大な竜の尻尾による薙ぎ払いである


竜眼ドラゴンアイは、全てを見破る竜の眼力


竜拳ドラゴンフィストは、繰り出すパンチから竜闘気が竜の形を象って飛び出していく技である。


竜手刀ドラゴンチョップ 言うまでもなく、パンチ力である。異論は認めない。


竜脚ドラゴンフット 竜の巨大な足によるキック


竜握ドラゴングリップ 竜の握力


竜聴ドラゴンイヤー 竜の地獄耳


竜障壁ドラゴンバリア 竜闘気を纏うのではなく、障壁のように展開する技


竜翼ドラゴンウィング 翼を生やし空を飛ぶ能力である。実際にその翼を使って物理的に揚力を生じさせるわけではなく、ドラゴンフォースを使って空を飛ぶのだが、翼を使って制御しているだけである。ドラゴンが、巨体に似合わず小さな翼で空を飛ぶのと同じ原理である。


究極まで竜闘気を使いこなせるようになれば、竜翼がなくとも飛べるようになるが。


竜道ドラゴンハイウェイ 竜人族と高位の竜族だけが使うワープホールのようなものである。これを使う事により、遠く離れた場所にショートカットできるのだ。これを使えば、世界の反対側にすら一瞬で到達することができる。かつて、竜人族は世界の各所に設置されたドラゴンロードを使って神出鬼没の活躍をした。






リューはまだまだ使いこなせてはいないが、竜人の能力だけでかなりのチートである。(そもそも、竜人の強靭な身体能力は、それだけで人間の体力をはるかに上回っているのだが。)


ドラゴンテイルとドラゴンクロウは基本である。


ドラゴンテイルの精度を上げたものがドラゴンクロウになる。


ドラゴンテイルは、リューは比較的簡単に身につけることができたが、ドラゴンクロウの精度はまだまだ甘い。


リューが意外と苦戦しているのは竜翼ドラゴンウィングであった。飛ぶまでは割りと簡単にできたのだが……力任せにロケットのようにぶっ飛んでいく事は可能であったが、自由自在に舞い飛ぶという境地にはまだ至れていないのであった。


空を飛ぶというのは、単純に竜闘気があればよいというものでもない。筋力がどれほど強くても、技術がなければ何もできないのと同じである。ましてや空を飛ぶというのは、おそろしく細やかなコントロールが必要で、脳が疲労してしまうのだ。そのため、慣れていないリューは、一定時間飛ぶと疲れてしまう。


そして、当然、竜翼の先にある究極、“ドラゴンハイウェイ” に至っては、未だ習得できていない。これは、ドラゴンウィングを完全に習得した後でないと、ハイウェイのゲートを開くことができない。


ドラゴンハイウェイは、太古の昔、龍が竜人達のために設置したものである。そのため、既に設置されているものだけで、新たに増設される事はない。



― ― ― ― ― ― ―


次回予告


ソフィ 「リュー、久しぶりね! で、そっちの女は誰かしら?」


乞うご期待!



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