異世界芸術都市~芸術女王の都市造り~
@SaiOri
第1話
足を滑らせた私、目の前に迫るはトラック。
走馬灯のように、私が歩んできた人生が脳裏に移り変わる。
私の人生は芸術に囲まれた人生だった。
そして、芸術を愛した人生だった。
物心が付く前から、劇団やオーケストラ、美術展などに芸術好きな両親に連れられ、芸術に囲まれた生活を送っていた。だから、Tvや雑誌のインタビュー等で初めに芸術に興味を持った瞬間はいつだと聞かれても覚えていないという回答になる。
物心が付きだす頃からは、興味を持った事に手当たり次第に挑戦した。
演劇、バレエ、ダンス、音楽、絵画、漫画いずれも私の心を夢中にし、空いた時間は全て芸術に費やした。勉強はからっきしダメだったが、それでも良いと思っていた。それだけ、心が満たされており、芸術を愛していたからだ。芸術は見るのも好きだし、自分でやるのもどっちも同じくらい大好きだった。辛かったレッスンの日々や、努力が報われた日など様々シーンが思い起こされる。あの時あぁすればよかった等の後悔も過ったが、それでも上手くいっていた人生だと自分でも思う。そう思えるのも運が良かったのと周りの人が支えてくれたお陰だと心底思う。
走馬灯は最近の出来事まで映し出すようになり、そして――――――――。
翌日、”あの”芸術女王がトラックに轢かれ、各分野を賑わせてきた激動の人生に”終幕”を迎えた事が新聞の1面やニュース等で大きく報じられた。彼女の葬式は、TVやインターネットで中継され、各方面や各国の大御所や数々の有名人が訪れた。そして、日本だけでなく海外を含めた多くの人たちが悲しみに包まれる事となった。
芸術女王、それは幼少の頃から様々な分野で傑出した作品を残し続けた一人の女性を称えた称号である。
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