転生魔王の黙示録〜俺の怒りは神に向いた。踏ん反り返る神よ、そこで見ているが良い〜
uyosiの脳内は茜色
第1話 最初で最後〜魔王の演説〜
《エレスビルバビュード》魔族が拠り所にするある種の街。
俺はこれから行おうとする一世一代の一芝居に皆の前で演説を始めた。
とは言ってもいきなりの演説に意味理解しないのは当然。
それでもやらなけらばならない。
「我は世界に未来を感じぬ。それが何を意味するか。今宵わかる者はおらぬと知ろう……だが数年、否、数百年かけ理解する者が現れた時、我の行いその物が報われよう。我の存在は己らにとって必要不可欠、勝手な事をする我の事を許せとは言わぬ。だが己らの中には我ギルドネス・ネヴァ・アルガルストの魂は永遠に残り眠る」
やっぱりなと俺はこの結末は見えていた。
流石にこの説明だけだと俺の説明も伝わらない。
俺の言葉を読み解けば……。
俺はいなくなるから、後は皆で頑張れよ……そして俺の記憶はお前達が知っている忘れるな、あぁ悲しいな、と、別れ話に聞こえてもおかしくないだろ。
表情を曇らせ同様する魔族に俺は次なる言葉をかける。
「この三種族の争いに己は何を望、何を対価に争いを好む。平和か幸せかそれとも殺戮か? 我にしてみればこの戦争こそが魔王であり悪魔の思考でしかない。そして皆に告げよう我の根源に誓い三種族同盟を結成させようぞ」
流石にこの言葉だけでは理解を勝ち取るのは難しいか。
おっ、そうでもなかったか?
俺は、同胞の表情を確認していると、数人、数十人は安堵する表情を浮かべていたのを確認した。
──戦争を嫌がる思考の持ち主もいたんだな。
俺はその者らを担ぎ上げる事にする。
俺は、戦争を好む同胞の意見などに聞く耳持たず話を続ける。
「三種族同盟とは口ばかり、まず我ら魔族に戦意がない証明をせねばならぬ。それ故に、武器を捨て白旗を上げようぞ。それこそが三種族同盟の
と、俺は三種族同盟に関し、肯定的に見えていた魔族を数人前に集めた。
「魔王様および? ですか…………」
たまたまだった、特に選んだ訳じゃないんだが、とてもとても懐いてくれている女の子をたまたま選んでしまっていた。
その子の表情は、とても愉快に満ち溢れた笑顔だった。
に、してもこの子って掴み所ないんだよなぁー。
謎に言葉数少ないし。短文で理解しにくい所がある。
「アルネス、お前を一主力とし
ってつい、リーダにしてしまった。
「皆良く聞くが良い、この日を持って魔六邪念アルヴィム・ノア・アルネスを我の後任者とし我の位置に準じて貰う。アルネスよその働き我の想いに反するなよ」
俺は選別メンバーアルネス含め、六人に魔六邪念_と言う俺の代理を務める役を受け渡した。
かと言って、適当に選んだわけではない。
アルネスの力に関しては、俺の知る所によれば、魔族の中では一番の強さを誇る。
それもあっての後任者にしたのだ。
そして、それを補佐する者らも、それなりの力にアルネスをサポートしてくれるとの考え合っての事。
何の問題もない。
後は……この場をどうまとめるか。
「我の意向に反論ある者は、忠誠の断罪。命を刈り取られようとも文句は言えまい。それを覚悟で物申す者は名乗るが良い。そして屈辱な想いを味わい散るが良い」
あちゃー最後の最後に、魔王的発言やらかしたました。
はい、逆らいようがない言葉ですよね。
やたらと、寂しげな視線を向けてくるアルネスに俺は言葉を残す。
「アルネスよ。長きに渡る三種族戦争も我の根源で収まるなら軽い者。そのような顔、お前には似合わぬ。アルネスよ戦争は好きか?」
「嫌い……同胞が息絶えるのを見ると胸が痛い。他種族の憎悪が耳に痛い。…………魔王様帰ってくるの?」
アルネス。お前と過ごした時間は長かったな、だがな、俺は帰ってくる。そんな顔を……するな。
「アルネス、今は言えん。だがな、いつか、そういつか。我の礎が、それを成す時、全てを悟だろー。その為に皆を任せるアルネス」
「魔王様……。」
俺はアルネスの白髪で綺麗な頭を撫で、皆に向き直る。
「心配せずとも己が降伏すれば戦争は終わる。
俺は皆を納得させる為、半暴力的な言い方もしたが。
俺がこれからする事に関して可愛い者だろ。
どれどれ、まっ、良い顔にはなったな? どの道俺の決定事項は断れない。このぐらいで良さそうだな…………と、俺は、安全策とし、アルネス含め魔六邪念に贈り物をする。
悪魔でも安全策として。
そしてこの芝居の一番の目玉。
今もなお天空から見下ろす神を欺く為に。
それも俺の根源を持って、俺を消滅させる事。
これで良い。
これこそが…………。
何百年後の再開楽しみにしよう。
「《
* * * * *
魔王中心に展開される六芒星。
頭、胸、腰、脚に分裂する四層の六芒星。
魔王の言葉を最後に全ての肉体は光の分子となりその場から消え失せる。
魔王を失った《エレスビルバヒュード》静寂し沈黙する時間が刻々と時間を進める。
そして《
魔王が願う《三種族同盟》がなされるのかと思ったが。
…………事実は違った。
襲撃されたのだ。
魔王が演説していた広場に。
無数の人族が攻撃を仕掛け、亜人族は一人とて逃さないよう周囲を取り囲む。
この場から逃げる事など出来ぬように。
魔族は魔王の言葉通り、武器を捨て降伏を促すが、人族、亜人族の瞳にはそれはなかった。
同盟よりも戦争を選んだ瞳。
三種族同盟を盾にこの気を願っていた者の策略。
魔王はまんまと騙されたのだ、哀れにも命を持って。
魔王なき魔族には戦う術もなく。
それに、忠誠を誓う魔王の言葉に武器は持てず、戦う事さえ叶わない──此処から先はただの蹂躙。
この事を……魔王が知る事はない。
魔王が消えた
二種族間では《懺悔なき末路》と歴史に記した。
──時は二百年、
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