第30話 魔界、騒乱
女神が魔王ナンカオルによって託宣を妨害された。
この衝撃の事実(誤報)は人界に潜入していた魔族により魔界にも伝えられる事になった。
これに焦りを覚えたのはやっと魔界を安定させてきた新魔王である。
「ナンカオル…一体何者なのだ…」
女神の顕現を妨害するほどの存在が今まで知られていなかった事にも驚愕し、同時に今の自分の立場を危ぶませる存在だと危惧する。
「今まで知られていなかったという事は異界の存在か…?
えぇい、やっとあの頭のおかしな連中を抑えてここまでこぎつけたというのに邪魔 をされてたまるか!」
そうして新魔王は魔界中にお触れを出し、魔王ナンカオルへの対処を最優先として、一旦侵攻の手を止める事となる。
そんなものは存在しないという事も知らずに。
ある意味女神のファインプレイな事を新魔王も女神本人すら気づいてはいないのだが。
そして、この噂に対して動いたのは新魔王だけではなかった。
「魔王ナンカオル…何者なのかは知らないけど、その力を利用させて貰うわ!」
復讐の炎をその瞳に宿す旧魔王の遺児である魔族娘。
彼女もまた、新魔王への亡き父の復讐の為に動き出した。
彼女は旧魔王軍の残党を率いて魔王ナンカオルの捜索を始める。
魔王ナンカオルに協力し、新魔王を打倒し、あわよくば自身が亡き父に代わって魔界をその手中に収める為に。
だが、彼らはそもそもそんなものが実際には存在しない事を知らないので、ひたすら無為な時間だけが流れるのであったが。
勇者歴10年:魔王ナンカオルの脅威が魔界に知れ渡る。
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