父子、そろって交代？

第1話 大地震

「パパ、家に本棚欲しいから買って！」

と息子にせがまれ、近所のホームセンターまで行き、本棚の大きさを選ばせていた。

その時、下から突き上げるような形で一瞬、浮いたのちに強い揺れに襲われて、息子と共に屈んで身の安全を図った。

揺れは、数十秒間で落ち着き店の外へ脱出を試みた時に再度余震に襲われ、それと同時に商品棚が我々に向かって倒れ下敷きとなってしまった。

棚が倒れてきた直後は意識はあったものの、次第に薄れて意識を失った。

病院で家族や同僚などに呼んでもらったことで意識を取り戻したが、起きると様子が一変。

自分も自らの容姿を見て困惑。

明らかに身体が小さくなっており、子供のような容姿になっていた。

でも、体型の容姿以外は健在。髭や毛深さは残っていた。

同じ病室に入っている息子はまだ、意識を失っている状況みたいではあるものの、容姿は自分とは真逆でしっかりとした筋肉質の身体になっており、明らかに子供の体格では無く、大人の体格であった。

息子は生まれつき身体が弱い為、運動が苦手である。そんな息子がここまで筋肉質の身体になっているのは、まずおかしい。

母は自分と息子のベッドを行ったり来たりして、明らかに動揺しているのが見えた。

それもそうだろう、毛深い子供(父)と筋肉質の大人(息子)には誰だって戸惑うだろう。