第12話 一万字以上の作品をいったんまとめてほめてみる
※「祈り」の最終回が待ちきれないので、気分を紛らわすために、雑に全体攻撃でほめちぎっていきたいと思います。目指せトリプルダウン。
「正義の門」「科学進化バットン・ジャン(以下バットン)」「『愛が重いから』、いけないんだよ(以下愛が重いから)」。
全て、一万字を越えてます。
あのですね。
素直に、「一万字越えてものを書く」という行為自体がすごいと思うんですよ。わたしは。
引き合いにわたしの話をしますけど、普通の人間、一万字以上のもの書けないですよ。一万字ですよ一万字。10000。Twitterだと71ツイートですよ。短文140文字でも71個積み上がる量ですよ。
カクヨムという「才能があって書けるひと」の集まりにいるので麻痺しがちですが、わたしなんかが見たらもう、すごいわけですよ全部。
「文字数ほめてるだけじゃん」と思われることが想定されるので、少しだけわたしの書き物の話をします。
基本的にわたし自身の書き物の話するときには(ハードルを下げるために)自分をおとしめて書くんですが、本企画はおとしめる行為禁止ってルール詳細に書いてある(主催者がなんとなく作ったルールによって主催者自身が縛られる)のでなるべくおとしめないように書きます。自慢に聞こえたらごめんなさい。私自身をおとしめてたらもっとごめんなさい。
では行きます。
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ひとりの作者のハードボイルド作品、それも文体の渇いたやつを読んで憧れて育ったので、どうしても描写は削りがちです。
なるべく容姿について書かず、物語に関わらない登場人物には喋らせないようにしています。
名前をつけることでイメージが固着しないように、必要でないかぎりなるべく名前は書かず、必要な場合は「使われていない名前、普段と違う読みかた」を心がけています。
あらすじも最低限に削り、なるべく先入観のない状態でブラウザをめくってもらえるようにしています。
キャッチコピーは書き物の体裁を崩さないように、ほとんど本文から切り取ります。
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こうやって出来上がるのが私の書き物です。ちなみにスピードがあるのはプロットなし一発書きだからです。なんとなくで書き始めてなんとなくで書き終わってます。
何が言いたいかってとにかく「普通のバズらない書き物」なんです。Twitterのツイートと同じ、普通の書き物です。なので、私の書いたものにはなるべく「小説」という表現を使わず、「書き物」と表現しています。最近やむにやまれず「作品」という表現を解禁しました。
ノート端の落書きみたいなものなので本来の意味から考えれば「作品」ではないことは明白なんですが、自主企画などで自分の作品のみを「書き物」と表現してしまうと意味が通らない部分ができてしまうので。それで解禁しました。
ちょっと長くなったんですが、「バズらない書き物」が基本になっていたので、この前のウゴカッタンさんの『色々と化けそうな感じ』で一発KOくらってしまいました。バズるかもよって言われただけで、このダメージの入り具合と照れ具合です。
そういうのが普通で、文字数が少なくて人に見せても「長編とか書きにくいよねこの書き方だと」って言われてしまう側から見るとですね。とにかく、「一万字以上意味のある文字が並べられていて物語が形成されている」というだけで、すごいんです。
私の一万字以上の書き物、ほとんど書き物としての体を成していないというか、だんだん何を書きたいのか分からなくなっていってしまって。プロットを書いたのにだめだったりして。ちなみにその書き物は現在非公開になっています。2年間ぐらい毎日500文字ずつ書いてて、いま見てみたら全体文字数28万文字で537話でした。しかも連載中。
わかりますか。
普通の人間が書き物に挑戦するとこうなるんですよ。28万文字で。537話あって。終わらないんですよ。
だから、一万文字以上で終わりがあるってだけで、わたしは、すごいと思うんです。
具体的な話に移行します。
「正義の門」。まだ連載中ですが、章ごとにまとまっていて、さらにそのなかで登場人物に対するフォーカスの当たり具合が絶妙で(これ以降は個別の殴りできる部分なのでここで止めます)。一万文字を読んでしまう作品で。
「バットン」。二万字あるんですよねこれ。最初にシェアワールド前提で読んで引き込まれたときのあの加速感と、終わるかなと思って下スクロールしたら「1 了」って書かれていたときの衝撃とおもしろさ。
『愛が重いから』はホラーなのでまだ読んでいる途中です。こわいので。でも確実におもしろいんです。120パーセントの整理ができていなくておぼろげなんですが時系列の入れ換えとか、血と指の途切れる表現が途切れず行われたりして(今のところここが最高に面白い部分です。切断という行為が文章で延長するってすごくないですか)。
ぜんぶ。
わたしから見たらすごいんですよ。ぜんぶ。
こんなに書いたのに時計の針が進まないっ。「祈り」の最終話までまだ時間あるっ。
なぜっ。
今回の殴り込みポイント》
・一万字以上書いてあると無条件で主催者から憧れられてる。
・一万字以上書くのは凄い。それだけで凄い。
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