第5章 初バイト
5章 初バイト
ちゅんちゅん
「うーん…」
異世界にきて神楽は初めての朝を迎える
あまりいいものではない
それもそうだ昨日はかなり色々…あったからだ
急に異世界へ飛ばされるわ馬鹿にされるわ殺されかけるわ
こんな日常送った奴がいたら見てみたい
「おはよう」
「うわ!なんだよ居たのかよ」
赤目の美少女が何かを飲みながら椅子に座っている
「とりあえず着替えてついて来い話がある」
「とりあえずお前は空気を読め」
「そして着替えて欲しいなら出てけよ」
「…」
不機嫌そうに出て行く赤目美少女
「一体なんなんだアイツは…」
クローゼットを開けると中にはタキシード?っぽい服があった
「なんだこれ他になにかないのか…」
探してみたが服はこれ1着しかなかった
神楽の着ていたスーツは見当たらない
「まあこれしかないならしょうがないか…」
しょうがないのでタキシードに着替えた
「おーい着替えたぞー」
「うむ、じゃあ早速ついて来い」
言われるがままに付いていく神楽
城の中は広く城の中には店もあるようだ
「おいこの城お前の家じゃないのか?なんか店っぽいものもあるんだけど」
「ああ上の階層は私の家だが下はショッピングモールにもなっている私はその社長だ」
「な、なにぃー!」
流石異世界…スケールが現実世界とかけ離れている
もはや訳がわからない
なんだよ家とショッピングモールの兼用って
お前は石油王か
「ここが私の書斎だ」
神楽と赤目の美少女と向き合う
「さて、まだ自己紹介すらしてなかったな。私の名はカルラだよろしくな」
「俺は龍ヶ咲神楽どうとでも呼んでくれ」
「神楽お前にはこのショッピングモールでバイトをしてもらうぞ」
「俺がバイト?」
エリートな神楽はバイトなんてした事がない
何故ならエリートだからバイトなんてする必要がないのだ
「そんな事俺がするわけないだろ」
「右手」
「ぐぬぬ」
流石にそこを突かれると弱い
神楽は義理固い男だ何かしらの形で返さないといけないなとは思っていた
「具体的には何をすればいい?」
「そうだな…とりあえず神楽には教育係を付けるか。おーい入っていいぞ」
???「はぁーい♡」
「なんだなんだ」
小さい金髪ロリが元気よく飛び出してきた
???「このこがしんじんさん?わたしのなまえはモニカ!よろしくね♡」
「モニカだこれからお前の上司に当たる仲良くするんだぞ」
「あ、ああ…よろしく…俺の名前は龍ヶ咲神楽だ。てかお前いくつだよ小学生か?」
「かぐらくんだね♡なんかーかぐらとらくだってにてるねーぷぷ」
なんだこのいかにも頭の悪そうな女は
こんな奴と一緒に仕事をするのか
「よーし!じゃあさっそくいこ!おちごとおちごとうんしょうんしょ」
「チェンジしたいんだけどできる?」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
上司を変えてもらいたかったが
2秒でカルラにむりって言われた
「さーてとりあえずはれじうちからだね!」
「レジなんてやった事ねえなあ」
「ここはいろんなものをうってるんだよ!おかしとかじゅーすとかね!」
「コンビニみたいなものか」
「こんびにってなーに?」
「ああ気にするな分かった分かったとりあえずはやってみるマニュアルくれ」
「まにゅあるなんてないよのりでおぼえてくれたらいいよ」
「マニュアルがない!?そんな事あるのか」
「うんないよないというかわたしがなくしただけなんだけどね♡」
「無くしただけなんだけどね♡じゃねーんだよそんな大事なもの無くするんじゃねえよ!」
「うっさいうっさーい!のりでおぼえればいいでしょ!」
「コイツ…」
俺はこういう女が大嫌いだ
全く理屈が通用しない人の話を聞かない
これからちゃんと意思疎通が取れるのかすら不安だ…
「まあ…ノリでレジは覚えるとしてだ」
「うんうんそれでいいんだよ」
「まず俺は文字が読めないそしてここのカネの概念もまだわからない状況だ。それがわからないとコンビニバイトなんてできやしねえ」
「え!もじよめないの?おばかさんだなあ」
「お前にだけは馬鹿と言われたくないもんだな」
「まあそれものりでおぼえてくれたらいいかなバイトしていくうちにおぼえるよね」
「これもノリか…」
正直不安だったがまあ俺はエリートだからな
普通にバイトしてたら覚えるだろう
は異世界を知るという意味でバイトは正解だな
「じゃあれじはおいおいやるとしてかぐらくんにはにもつをせいりしてもらうんだよ」
「おう、まあ最初は肉体労働とかで下積みしていくしかねえわな」
倉庫
「なんだこの荷物の量はーーーー!」
「びっくりした?ざいこたくさんあるからおもてにないものをそうこからもってきてしなだししてね」
「在庫抱えすぎだろどうなってんだこの経営方針」
「わたしがぜんぶかんりしてるからね」
「…」
言葉が出なかった
もう突っ込む気力がなかった神楽はだまって1人で黙々と作業を続ける
「これがこっちで…こっちが…」
「かぐらくんおつかれー!♡きゅうけいのじかんだよ!」
「おうもうそんな時間か」
作業してると時間が経つのは早い
気付いたら昼過ぎになっていた
「そのへんのおべんとうたべていいよーおねえさんがおごってあげる!」
「お姉さんって柄じゃないよなあ」
といいつつもカネがない神楽にとってはありがたい
そのへんの弁当に手をつける
「しっかし俺がこんな異世界に飛ばされてバイトかよ…うっ…」
冷静になって改めて考えると泣きそうになる現実世界では超エリートな神楽が異世界ではフリーター家無し金なし文字も読めない
挙句に休憩中に小学生みたいな見た目のバカそうな女に弁当奢ってもらって飯食ってる
「なんで俺がこんな事を…」
しかし嘆いてなんていられない
これが現実なのだ
やっていくしかない
そう思った
(とりあえずやってみるだけやってみるか)
これから始まる異世界生活
「なんせ。俺はスーパーエリート神楽だからな!」
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