第33話・捜索3

「そういえば、自己紹介をしてなかったね。私は真保の姉の仔春こはる。よろしくね」

 仔春はそう言って真保の体を弄り始めた。

 真保は抵抗する体力が無くなったのか、仔春の人形のようになっていた。

「で、お兄ちゃんは仔春さんになんの用だったの?」

 明花がそう聞いてきた。

「えぇっと……」

 灯夜は目を泳がせながら、返答を考える。

 明花に幽霊等のものを見せるようにする許可を出した仔春がどんな存在なのか、知りたいとは思ったが、今ここで話すと部外者の加代に聞かれてしまう。

 灯夜は視線だけ真保に向けた。

 真保はなにかを察したように、仔春に弄られながらも、震えてる手を動かして両手の人差し指でバツ印を作った。

(カッワイィ!)

 窓辺で一部始終を見ていたクロすけは、真保のその行動を見て悶絶していた。

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