第30話・始動7

「何か脱線してない!?」

 加代がそう言いながら椅子から立ち上がった。

「何?」

「機械の修理!忘れたぁ!」

 加代は机の周りをぐるぐると回り叫んだ。

「修理と言っても……ガラクタは全て捨てたし……」

「アァァぁあぁあ………」

 灯夜の一言で、加代は走るのを止めその場で膝から崩れ落ちた。

「これからどうやって部活しよう……」

 加代は床を見つめ、今にも泣きそうな声を出した。

「あんな機械無くても部活はできるでしょ?」

 明花は腕を組ながらそう言った。

「でも、でもぉ……」

 けれども加代の顔は上がらない。

 それを見た灯夜は、真保に目線を送った。

 真保は、何かを察したのか灯夜の方へ行き、灯夜の方に耳を傾けた。

「なあ、加代にも明花みたいに見えるようにしないのか?」

「あれは、私の姉からの指示でやったって言わなかった?」

「聞いてない聞いてない」

 突然来た未知の情報に灯夜困惑。

「えぇと……私の姉が『白坂灯夜の妹なら何やっても大丈夫』って言ったから……」

「真保の姉は一体何者……?」

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