二章・見られなくても
第24話・始動
夜の町並み、それは昼に見ていた景色とは全く違う世界。
そんな時間にも人々を運ぶ電車は走っていた。
灯夜達が暮らす町を走っている電車はこのまま終点まで行き今日の仕事を終わろうとしていた。
しかし、軽快に進んでいた電車は突如としてスピードを落とし、停止してしまった。
停止した原因を調べるため車掌は会社に連絡を入れ、電車を降りた。その電車には乗客は乗っておらず、灯りだけが点いていた。
辺りに不審なものがないか確認し終わった車掌は、電車内に戻り車両の中の確認をしだした。
電車の最後尾に着くと、何か液体が垂れるような音がしていた。その音につられるように、車掌はそこへ向かった。
音があった所には天井から何か黒い液体が垂れており、小さな水溜まりを作っていた。
それに近づくにつれて液体が垂れる音に加え、誰かが喋っている音がした。
「ドコダ……ドコダ……」
その声は、掠れた男の声のようで時折ゴボゴボと液体の中から泡が出ていた。
車掌がその声に気づいた時には電車内の灯りは消え、叫び声だけが辺りに響いた。
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