第10話・部活

 うっすらと朝日がカーテン越しに部屋を照らす。

 明花は寝返りをうちうっすらと目を開けた。

 時計は5時を過ぎたところで隣には灯夜が寝ていた。

(まだ5時か……ふふっお兄ちゃんの寝顔かわいいなぁ。………………ん?お兄ちゃん?)

 ガバッと明花は慌てて起きた。

「お兄ちゃんが私の隣で寝てる」

 明花は自分のほっぺたをつねった。

「痛い、だったら……」

 そして明花の顔が獲物を見つけた虎のようになった。

(まずは寝顔をじっくり見てと)

 明花は正座をしながら灯夜の顔を目を皿のようにして見た。

(あぁ!かわいい!サイコー!うへぇへへへ)

 鼻から血を流しながら明花は灯夜の頬と自分の口を近づけていく。

(これだけ、これだけだからそしたらお兄ちゃんを起こして終わり………いや!やっぱりダメ!)

 明花の口と灯夜の頬との距離が残り数センチになった時。

「うんん」

「!?」

 いきなり灯夜が動いた。

 そして明花の口と灯夜の口が一瞬重なった。

「な!なななな!お、お兄ちゃんと!お兄ちゃんとぉ!」

「ん、明花?あれここは?」

 灯夜が起きた時には明花は鼻血を出しながら倒れていた。


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