第5話抽選に向けて

「んで、なんでチーム名これがいいと思った?」




「思ったと言うよりは思ってあげたって言う方が妥当ね。」




山野がそういうと圭一と佳奈も「うん、たしかに」と言い出した。




「は?」




俺の頭の中はこの状況を全く理解していなかった。




「だって、チーム名なんて特別変な名前じゃない限りなんでもいいわ。」




「テキトーかよ!!」




もう応募しちゃったじゃねーか。




思わず鋭いツッコミを入れてしまった。




チーム名を決める時、一人で舞い上がっていたようで少し恥ずかしくなってきた。




まぁ、そんな事はさておき。無事に応募が済んだので後は抽選会を待つだけだ。




とはいえ、どれだけのチームが参加しているか分からないし、どれくらいの確率で出場枠をとれるかも分かっていない。




国主催という事は参加チームもそれなりに多いんだろうなと少し不安になってきた。




この日は自己紹介と応募が出来たので、ミーティングを終わりとし、各自解散とした。




山野と佳奈と圭一は少し秋葉原で買い物をして帰るそうだ。




やはり美少女3人は画になるなぁ。




いや、待て。上手く溶け込んでいたが圭一は男子だ。




俺も思春期の男子だ。圭一が誘われたんだったら俺も誘ってくれるのかなと淡い期待をした。




だが、




「それじゃ!またね!」




と言い、3人はそのまま店を出た。




俺みたいな陰キャとは一緒に街中なんか歩きたくないよな、、。




自分が陰キャだという事実がまたも胸に突き刺さった。




大丈夫。陰キャは俺の唯一のアイデンティティ。




そう思いたいがこの心の傷はとうぶん治りそうにない。




俺も帰ろうと席をたったその時。




俺の視界にとてつもなく恐ろしいものが入ってきた。




伝票。アイスココアとアイスコーヒー3つ。合計2000円。




おい!俺が全部払うのかよ!




追い討ちをかけるよえに今度は俺の財布に深い傷をつけられた。




「まぁいいか」




俺は伝票を持ち、会計を済ませ店を出た。




今月はゲームの課金は控えよう、、。




抽選会は1週間後。結果は新聞にも載るようだ。




参加枠を手に入れた時の為、この1週間で本気で課題を終わらせることにした。

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