14.恐るべし子どもたち 委員長軍団
「りじちょー、これはいくらなんですかぁー?」大中川が訊く
「お、それかあ!それも高かったんだが、どうにか競り落とせたんだよ!!数億だったかな?」理事長
ウソっぽさこの上ない
大山田とその仲間たちがどんどんそこらに飾ってあるものらの値段を訊いてる。
理事長は、買った値段の10倍から100倍に膨らまして言っているようだ。確認なんかとれないからな。
「しかし、お前ら金のことしか聞かないなぁ、、このコレクションの素晴らしさがわからんのか?」理事長
・・・・・・・・私(委員長)、副委員長、ほか数名
「おい、誰か。この理事長のコレクションにテーマを付けるとしたら?」委員長
「お!いいな、そういう知的な会話がこの私のコレクションにふさわしい!!」理事長
・・
「・・ふう、、はい、委員長、私が」副委員長だ。流石だ、人身御供を買って出たか、、
「よろしい、お願いしよう、、、」
「”金にあかせて買ってみましたが、何か?”、、、とか、ですかね?」
「流石だ、同意したものは彼女に拍手を。」
パチパチパチパチパチパチパチパチ!!!理事長以外全員。何気にこの邸の使用人まで拍手している。
「委員長っ!!」
「よし、山谷川、いけ!」
「”よく出来た贋作もたくさん集めてみました!どうよ?”、、とか?」
パチパチパチパチパチパチパチパチ!!!理事長以外全員。何気にこの邸の使用人まで拍手している。
がん、さく、、だと??
「おい!贋作がこの中にあると言っているのか?!!!」
理事長、青すぢ立てて何ほざくかな?
「うむ、、贋作がわかったもの手を上げろ。何のどこがそーなのか?とかは一切言わないで良い」
しゅたっつ!!全員が手を上げた。流石**学園の生徒たちである。
くっ、、、
「お、おまえら、、ガキのくせに何がわかると
「え?だってうちに本物あるもん、理事長はどこから手に入れたの?うちは贋作なか出したらいっぺんでおわっちゃう世界のトップ3に入るバイヤーからだけど?」
「うん、うちにも本物あるし、居間に飾ってあるから、ここの贋作なんかすっごくチープに見えるよ?」
他にも何人か同様なことを、、
理事長OTZって、なっている。泣きそう?
「理事長、悪いコタいわん、これら全部どっかに隠しておいたほうがいいぞ?」委員長
「・・・ぜんぶ、か?」
「うーん、贋作だけ隠すと、のこったのは、、とてもちーぷな作品だけなんでなー、、有名な作家のものでも失敗作で値が付いていないやつとか、、そんなのばかりだからなぁ、、、見るものが見たらガラクタ市とかの名を付けるだろう」
「あ、俺、それ言おうと思ってのに!!」大山田
さてと、、
「理事長、そろそろ我々を呼んだワケを聞こうか?」
「もう、、いい、、、」いじけ切っている理事長
「ふむ、、一応念を押しておかねばならぬので、こちらから言おう。
皆もよく聞いておいてくれ」
皆集まってくる。なにげに使用人達もその周囲に集まる。
「先日の国連人権委員会の委任委員が来たので、私一人を呼びつけるわけには行かなかった。
ホントは私一人をこの邸に呼びつけ、威圧しようとしたのだろう?
教師たちに媚びずに自由な1年3組が目障りだと感じたんだろう?
そういう場合は放置しておくのが最善策なのだが、それも考えることができず、どうにかしてぎゃふんと言わせ、従わせたかった。違うか?」
・・・・・
威圧どころか言い訳やウソつく気力も失せている理事長
「その様子をすべて記録し、あとから皆の物笑いにしようと、そこここにカメラなど急ぎで設置した様子が見える。
副委員長?」
「はい委員長。もう既にそのラインから全て、今この時点までの映像と音声はうちのデータルームに送られています。この邸には記録は一切残らないようにしました。」
「ありがとう、君は本当に優秀だな!!」
「あろがとうございます。」
「と、このように、我がクラスの仲間たちは皆優秀だ。皆、もう親と代替わりしても大丈夫どころか、代替わりしたほうが各家のビジネスは伸びるだろう。
そして、もう既に、彼らはその下準備を整えている。いつでも瞬時に代替わりができる。親たちを、今の立場から引きずり下ろすことが出来るのだ、号令一つで。
そうじゃないか?」と皆を見渡す委員長。
全員コクコクしっかり頷く。
理事長OTZの格好のまま、顔だけあげ、皆を見渡し、唖然。
「理事長、おまえは、生徒の親たちに取り入れば済むと思っているだけだ。事実を見る目、現状を把握する能力をつくるべきだった。
さすれば、とっくにこのようなことを理解できていたろう。さすれば、贋作やガラクタなどひと目で見抜く力を持っていたことであろう。
だから、贋作やガラクタをこれみよがしに飾っておく、ということ自体、本人の資質を見せつけているだけなんだ。それを見る目を持った者がみれば、ここに飾ってあるモノとその持ち主は同じレベルでしか無いとわかるわけだ。」
理事長が理解する時間を与える。
「理事長、あんたは、前理事長を見習って精進すればよかったのだ。彼ほどできた人物はあまりいなかった。そんな手本が目の前にいたのだから。」
うおおおおおーー!!!!!
大声で泣き出すおっさんをそのままに、委員長達は使用人に挨拶し、邸を出た。
「皆、すまなかったな、こんな顛末で」委員長
「いやいや、おもしろかったす、これほどガラクタ集まったの見たことなかったし、、」
「うん、まともなものが一つもない、ってすごいよね?!!」
「どーやったらあんなのを本物だって信じられるんだろう?今でも信じられないよ、、、」
等など話しながら駅に向かって歩く。
委員長が電車なので、皆駅で集合したのだ。乗ってきた車は返している。皆「車は呼べば来るし、電車で帰ってもよいのだ」と思っている。
「申し訳ないから、もしよかったら茶でもごちそうさせてもらおう」委員長
「あ、そんだったら、」
と、一人が、自分の家のビジネスの一つでケーキ屋があり、その支店をこの街の駅前に出したという。
よかったらそこで、いろいろ試作を食べてみてくれないか?と、多分私(委員長)に気を使ってくれたのだ。
まだまだ裕福から程遠い、借金まみれの私に気を使ってくれる仲間。
他の皆もソレを理解し、そっちにいくことになった。
「私、卒業したらそこそこ遊ぶつもりでいたけど、、卒業と同時に親に取って代わろうと思う。」
と一人が言い出した。
俺もそう思った。私も、と、皆が同様に思ったようだ。
「私は、自分で初めてみたいと思います」副委員長
え?と皆が注目、
「委員長の下で活動していて、いろいろ勉強になってて、、それらを活かしてみたいなぁ、と思って」
「・・・危険じゃないか?私が副委員長にお願いしたことの大半はインテリジェンス関係だったと記憶しているが、、」
「はい。なので、技術的にはNSAに対抗することになり、実務的にはカンパニー(CIA)に対抗するまでにしたいですね。勿論この国とは無関係に、個人の組織として」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・全員
「今一度考え直してほしい。」委員長
「ええ、何度も考えました。一度でも奴等がこちらの力を認めたら、十分に対抗できるようになる前に瞬殺されるでしょう。でも、必要なのです。私達全てを守るために」
・・・・・
「では、私もそれに、まぜて貰おう。」委員長。
「・・それは、できません。だから言わずにおこうとも思ったのですが、、、」
「君だけをこの世界で最も危険な渦中に放り出すわけには行かない。私も一緒に入れば、それだけ生き残る、勝てる可能性が確実に高くなる。それは理解できるな?副委員長?」
「・・・はい、、でも
「んじゃ私も入る!
「俺も!全てをなくして委員長のようになるとしても、だ!」
「おい、その前に命取られるぞ?でも俺も!!」
・・
結局全員。しかも本気らしい。
「よし、今回のこの件は、その時まで保留にしよう!その時には今の状況とはまた状況は変化しているはずだからだ。いいな?諸君!」
「はい!」全員
そのままその新しいケーキ屋になだれ込んだ。
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