エクゼルア美食事情
@hoge1e3
おじいちゃんのスープ
私が、おじいちゃんに助けられたその日。
暖かい飲み物を差し出され、飲んだ。
ものすごく元気がでた。
いや、元気だけじゃなくて……希望のようなものさえ。「私は、ここにいてもいい」という安心感も。
次の日、私は村の人からたくさんの豪華な食事を頂いたのだが、なんだか上の空だった。
家に戻って開口一番、
「マージさん……ごめんなさい、こんなこと言うの変だと思いますが……昨日の、スープ、作っていただけますでしょうか。」
「おお、あれほど食べたのに、そんなのが欲しいのか?」
おじいちゃんは、嫌な顔一つせず、作ってくれた。
どの豪華な食事より、やっぱりそのスープが一番美味しかった。
それ以来、毎日のように、おじいちゃんにスープをねだっていた。
材料は、次のようなものらしい。
カリオレの葉
≪カリオレは、ソロリル科の常緑多年草。実はつけないが、葉は食用になる≫
エクロットの実
≪エクロットは、ラウォガ科の落葉果樹。雌雄異株で、果実は晩秋に成熟し、収穫から1≫
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≪0日ほど追熟させて食用になる≫
アロトゾの種
≪アロトゾは、エカポ科の食虫植物。種は、人間の指を溶かすほどの強力な消化液を有す≫
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≪る雌蕊についているため、採取は慎重に行い,丁寧に洗い流す必要あり≫
カリアルの球根
≪カリアルは、ルアーニ科の多年草の球根植物。球根は食用に適し、滋養に富むが、猛毒≫
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≪のカバチャルと非常に似ているため、エディルでの調査を必ず行うこと≫
ツェギァタの実
≪ツェギァタは、スワメム科の宿根草、パラウェリの木に寄生。 果実は毒ではないが、食≫
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≪べると、痺れるような感覚に襲われるので、食用にする場合、隠し味としてごく少量使≫
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≪う程度≫
各植物の解説は、後日、カギンがエディルとトゴリーティスを使って調べた結果からの引用。エディルは、私があげた杖なのに、この男、私より便利に使いこなしちゃって。デクノボーのくせに。
それはさておき、おじいちゃんのスープはすべて、植物から作る。肉は使わない。水も入れないらしい。葉や実から出て来る水だけを使うのが鉄則。
どうやら、おばあちゃんが作っていたのをマネて作り始めたとか。
おばあちゃんは、庭でいろいろな植物を育てるのが趣味で、葉や実を混ぜてスープにしていたらしい。
だから、木の上であのスープを飲ませてくれたとき、彼女がおばあちゃんだと、すぐにわかった。
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