秋と死神
房成 あやめ
序章
【序章】
天高く馬肥ゆる秋、と言うのは本当だ。ついついたくさん食べてしまう。
「たかくん、美味しい?」
一緒に食卓を囲んでいる妻のユカが覗き込んできた。肩くらいに切りそろえられた黒髪がさらさらと肩から落ちる。まだ見慣れない光景に戸惑いながらも、あぁ可愛いと頬が緩んでしまう。
「うん、美味しい。秋刀魚、特にね。旬は美味しいね。」
僕がそう言うと彼女は「良かった〜」と微笑む。
実は僕たちは新婚なのだが、本当に結婚して良かったと思う。愛する妻が家に帰ると『おかえり』と、出発するときは『いってらっしゃい』と声をかけてくれるのは、ささやかな幸せだ。
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