第123話  誘惑

 その頃ある女神と先の冒険者がねっとりと絡み合っていた。


「申し訳ありません。女神イザベラの始末に失敗しました」


「らしくないわね。あなたが失敗するなんて。何か言い訳をなさい。そしてお舐め」とすらりとした足を差し出す。その足をねっとりと舐めながら


「はい。言いつけ通りに女神イザベラを捕らえ、20階層に置いて来たのですが、魔物が取り囲みはしましたが、何故か襲わないのです。武器を振りかざして向かっていった奴もある程度の距離になると戦意を喪失し、ただ取り囲むだけになったのです。何故なぜなのでしょうか?」


「あらあら困った事になったわね。ごめんね。あなたに落ち度は無いわ。知ってるかしら?女神を襲そとうと思っても襲えないのは知ってるわね?あなたがイザベラを犯そうとしてもあなたの大事なここが弾け飛ぶだけだわ。女神がね受け入れないとだめなのよ。おまけに女神の初めてはファーストが男の場合ファースト以外無理なの。私もそうだったわ」


 女神はご奉仕を始めながら


「確認して頂戴。イザベラのファーストが童貞かどうか確認してね。もし童貞なら女に目覚めさせ、とっととイザベラを犯して貰わないと困るの。そうしないと始末できないでしょ。それとも私があの子の初めてを頂だこうかしら。ふふふふふ」


「私はどうすればよろしいでしょうか?」


「そうね、綺麗所をどんどん差し向けなさい。可愛いのやらセクシーなのやら。あの子の好みが分からないから、色んなタイプの女の子を差し向けなさい。なんなら何かと理由をつけてあいつの店に連れて行ったらどう?初めての子もいるでしょ?意外とうぶな子が好きだったりしてね。女の体の虜にさせなさい。女神を、イザベラを見たら欲情する位に女好きにしなさい。そうすれば魔物差し向ければ殺す事ができるわ。ではこの後直ぐに動きなさい。私も少し動いてみるかしら」


 と晃の貞操を狙う不穏な動きがあった。


 新制六連星の結成から数日が経過していた。特にレヴィの戦闘経験を上げる事を優先してやっていた。また冒険者になるわけではないが、ルーシーをダンジョンに連れて行ってパワーレベリングを行っていた。というのもルーシーは仕出し店を辞めて晃の所の専属メイドとして来てくれる事になったからである。それも仕出し店の女将から言い渡された事であった。闇雲に看板娘を放出したわけではない。勿論代わりの子が来て教育も終わったところではあるが、女将の狙いは六連星の屋敷の食材の仕入れなどの取引を持ち掛ける為であった。特に取引先を持っていた訳ではないので、ありがたい話であったので契約する事になった。別段ルーシーを放出しなくても良かったのだが、見誤っていた。

 のだ。


 ただ冒険者のいる屋敷で働くという事は、何かしらのトラブルに巻き込まれる可能性が出てくる。


 またいつのまにかターニャも住み着いていて、この二人も屋敷が襲われたりと他の団からいつの間にやら敵対行為を受けている時に巻き込まれる可能性がある。その為逃げきれるだけのステータスを身に付けて貰う必要があり、ダンジョンに連れて行っていた。


 同じパーティー内であれば止めを刺した者が半分、残りのメンバーで経験値が人数割になるのだ。また少しでもダメージを与えていた者に対しては更に1/4の経験値人数割とは別に加算がつくらしい。なので止めを刺す前にナイフなどを投げさたりし、動けなくした魔物に多少の傷をつけさせたり、最後の止めを刺していたりした。


 気がつけばターニャもルーシィもレベル5になっていた。レベル5までなっていれば上級冒険者に襲われない限りは少なくとも逃げ切れる。


 戦闘技能がなくても足が速くなっていたり、跳躍力が伸びていたり逃げる算段が増えるのだ。


 そんなある日晃が街を一人で歩いていると、どこからともなく女性の悲鳴が聞こえてきた。晃は咄嗟にそちらの方に駆け出すのであった。

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