第109話 仲間
晃はふと思う。意外と呆気なく連れてこれたなと。
「さあ、着いたよ。中に入りましょう!」
セーフエリアの隠蔽を外し、中へと一歩を踏み出した。
晃はそっと中に入り、6人に静かに入らせた。見張りにしーと静かにさせ、6人を空いている所に寝かせ、見張りの所で
「シー。静かにね。皆寝ているから朝になったら帰還を祝おうよ」
6人と見張りが静かにハグし、疲労から皆直ぐに寝ていく。
晃はエニーとレヴィの寝ている所にそっと入る。晃は本気で胸を撫でおろしていた。二人が起きる前に戻って来たと、無謀な事と怒られずに済むと。二人が晃が出ていった事に気がつ付かず寝ていると思っていたのだ。
晃は睡眠不足だった為寝床に入った途端に意識を手放した。
そして朝も遅い時間にに目覚めた。エニーがしっかり抱き着いていて泣いていた。晃が目覚めたと分かるとひたすら感謝をしていた。ふと周りを見ると6人は皆に取り囲まれ、帰還を祝われて感謝されていた。メアリーを見ると涙を拭っていて、レヴィに抱きしめられていた。レヴィは晃が起きたと見るや晃の方に来た。
「おはようレヴィ。よく寝れたかい?」
「ばかー」
ぱちーんと中々の音が鳴り響き、レヴィに平手打ちを貰い晃は唖然としていた。エニーはあちゃーといった感じで手で顔を覆い、指の隙間から二人を見ていた。
レヴィはお腹をグーパンチでを殴り始めた。
「ばかばかばかばか、晃のばか。何で黙っていくのよ。心配したんだよ!死んでしまうかと思ったのに起きたら横にいるし。何なの?私の気持ちを考えてくれないの?好きな人が死んじゃうかもって心配だったのに」
エニーは出鼻をくじかれた。晃に文句を言うつもりだったが、一足遅かった。
「ごめんなさい。どうすれば許してくれるのかな?」
レヴィはいきなり晃にキスをして
「奥さんの一人にしてくれなきゃ許しませんから。大人になったら娶ると約束してくれなきゃ信じられません!」
晃はまだ頭が回っておらず頷いた。チャンスとばかりにエニーも加勢する
「あんたまた暴走したの?レヴィとあたしがどんなけ心配したと思うの?私も娶ってくれなきゃ許しませんから。娶るよね?」
意味がよく分かっていなかったが
「うん。二人の言う通りにするから許してくれるかな?」
二人は驚きながらハッチをし
「あーきーらー!言質取ったからね!私達を娶ると言ったんだからね!だから今ちゅーして!ちゅーよ!ちゅー」
晃の反応が面白く、体を求めてこないと分かっているから、彼女達はからかって来るのだ。二人に迫られ晃はたじたじで助けを求めた。
「メアリーさん助けて!」
「あらあらお困りのようね。私のお願いを聞いてくれたら助けましてよ」
「僕に出来る事なら」
晃はメアリーのお尻に隠れていて、メアリーが晃の耳元でつぶやいた
「その、あの方との仲を取り持って下さい!」
唖然とした
「誰とですか?」
「その、貴方の師匠です」
「分かりましたから、助けてください!」
目を輝かしたメアリーが二人の襟首を掴み
「めっ!晃くんは疲れてるのよ。添い寝で我慢なさい」
晃はポカーンとなった。メアリーの叱り方が可愛かったのだ。そして二人に寝床に戻されもう一度休むのであった。何がが違うと呟きながら。
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