第84話  やってしまった

 寝起きは朝チュンだった。

 愛しい女神を抱き寄せてその温もりを感じていた。既に恋人もいるが女神とやってしまった。そうやらかしてしまったのだ。直後に知るが女神と性行為をすると即結婚した事になるらしい。

 間違いなくお互いを求め合った。心を、そして体を求め、愛を確かめ合ったのだ。決して夢や勘違いではない。


「愛おしい御方。何を悩んでいるのですか?」


「うん。おはよう。やってしまったなとね。昨夜はお互いに熱かったけど、俺には彼女がいるのにさ、求めてしまった」


「彼女なら大丈夫よ。但し今晩抱いてあげてね。話はついているの。そのね、どちらが先かはね、くじで決めたのよ。多分彼女が譲ってくれた筈なの。くじは彼女の提案だったから」


 意味が分からなかったが、2人が妻になると言われたは間違いない。多分増えるとも言われたのだ。


 それはもかく、勢いでした事だが責任は取らねばと、妻になってくれと言うも、既に自分は貴方の妻という。女神と性行為をするのは、結婚なのだというのだ。また2人目の妻をちゃんと娶るようにとも。会話がおかしかった。


 理解できなく、今は考えがまとまらない。仕方がないので皆の所に食事をしに行くと、皆から結婚おめでとうございますと言われる。既に広まっている状況だった。何故だー!と唸るも、何人かの見知らぬ女神が祝福に来ていた。


 そうして苦笑いをしつつ朝食を、妻になった女神を労りながら食べていく。午前は団の半分を率いてダンジョンに向かう。


 2軒隣の屋敷で稽古の音が聞こえたので早速乱入し、稽古を付けてもらう。両陣営の団長。副長もいて、朝から近所迷惑な賑やかさだった。体が温まった所でダンジョンに向かうのであった。


 さて、登場人物はお分かりだろうか?敢えて名前を出していませんが。


 ヒントは陸上競技をしているのと、お淑やかな女神と、彼女は脳筋判定者です。


 その頃とある屋敷で一際派手で、妖艶な女神が配下の冒険者数名を侍らせ、足を舐めさせていた。結婚の祝辞を上げ、稽古を少し見物してか、屋敷に引き上げたのだ。


「あの坊やが欲しいわ。確か新たに降りてきた子のファーストコンタクトよね。あの坊やを是非私のファーストにしたいの」


「姉さんあんな坊やが好きなんですか?あっしのじゃもう満足しませんか?あの小僧に姉さんを満足させられるとはとても思えませんが?」


「そっちじゃないのよ。お前の性能を越えられる者がいるとは思えないわね。うふふ。私が求めてるのはねコレクションなの。彼凄いと思わない?異世界から来た勇者よ。あれをファーストにするのって素敵よね。ふふふ勿論簡単にはやらせないわよ。焦らして焦らして焦らしまくるの。必死になって私に縋って来てようやく少しだけ触らせてあげるの。あの子がピーピー鳴く姿が目に浮かぶわ。私のヒールがよく刺さるかしら?それよりもまずあの女神が邪魔ね。ねえ、あの女を始末してよ」


「しかしご存知だと思いますが、我々では女神を殺す事はかないませぬぞ。いかがすればよろしいのですか?」


「少しは頭を使いなさい。大きいのはここだけなの?脳みそは小さいの?それはそれで良いのだけども、今は頭を使いなさい。確かに亜人を含む人では女神を犯ったり、殺れないわよね。でもね街の外かダンジョンにいるじゃない」


「しかしダンジョンには女神は入れないんじゃないですか?」


「蛇の道は蛇ってね。あるのよ。これを使いなさい」


 質素なデザインのネックレスを投げて見せた。


「これはね、女神がダンジョンの入り口を通る為の許可証のような物なのよ。これを着けていると結界をすり抜ける事ができるのよ。分かったかしら?」


 黒いパンツ一丁の筋肉ムキムキ男は頷き、女神を乱暴にベッドに投げつけてナイトドレスを引きちぎり、乱暴に攻めていく。

 そうやってその女神を満足させたムキムキマンは、軽装鎧を装備し、バトルアックスを持って出掛けるのであった。

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