第76話 団体様
いよいよ晃率いる六連星の始動と、大輔率いるバックヤード団のダンジョンデビューだ。
ダンジョンに入り晃はまず大輔達のパーティーに先陣を指示した。今日は午前中晃が仕切るのだ。
大輔達は魔物をサクサク倒していき問題なかった。大輔のパーティーの問題は男女比だった。大輔の他は女4人だ。また大輔以外脳筋判定だった。一人は女騎士で美人だがかなりの堅物で、他の3人は水着としか思えない格好で戦うものだから胸がプルンプルンとなっている。晃は年頃の男の子としてついつい見てしまう。するとレヴィと何故かソレイユの二人に両側から肘鉄を喰らい
「スケベ」
とステレオチックに言われていた。因みに女騎士は大輔の彼女と聞いた。水着の3人は大輔に猛アタックを掛けるが、セクシー過ぎてあまり相手にされず、見ていて気の毒な綺麗なお姉さん達だ。
ローランにくすくす笑われながら先に進む。
戦闘参加のパーティーをローテーションしながら進み、六連星の番の時はローラン、ソレイユ、レオナが順に倒して行くが、3人はレベル4なので10階層まで出番なしな感じだ。
晃のパーティーの場合一番レベルの低いレヴィを中心に戦う事にした。レヴィに戦闘経験を積ませるのが狙いだ。大概のドロップは晃の収納に入れる事が出来るので警戒と拾う番を分けていた。というか、晃と晃にべったりくっついてくるソレイユが必然的に拾う係だ。
時間をずらして次々にバックヤード団のモヒカンやスキンヘッドの一団がダンジョンに入って行く。晃はなんかとんでもない方々と仲良しになったなと溜息をついていた。
時間を置けば魔物はリポップするから、時間を少し置いてある程度の間隔で次々にバックヤード団のパーティーがダンジョンに入る。バックヤード団の人員は皆剣闘士なので、戦う技術と覚悟がある。その為9階層までは平気そうで、晃は大輔達のパーティーを引き連れて9階層に向かう。少し戦った後、大輔のパーティーはバックヤード団全体のフォローに回る。午後からは晃は10階層に挑む。午前中は予定通りにバックヤード団に付き合っていたが、大輔がヒーラーでも有るので大丈夫だろうと先行する事にした。
晃にはレヴィがいる。彼女もヒーラーである。ただ、知り合ってから怪我を治してもらっていないので治癒力は未知数だ。レヴィ曰く矢傷位なら何とか行けるそうだ。
晃達はバックヤード団と別れて10階層に降りる。降りた途端ソレイユが服を脱ぎだした。唖然とする晃に見せつけるようにビキニアーマーを披露した。ローランとレオナは普通にチェーンメイルだ。
晃はソレイユに質問した
「あの、ソレイユさん?何故に今服を脱いでいるの?」
「へへへ。晃様を悩殺!もとい晃様がこういう格好が好きなむっつりスケベさんだと分かったから、リクエストに答えてるの。燃えるでしょ?」
「えええ?」
ソレイユは小柄だがエネルギッシュな晃と同じ年代の綺麗な少女だ。かなりの天然ぷっりだが。
細身の体にBかCカップの上品な大きさの胸で、晃はソレイユをまじまじと見て、女として意識してしまった。
中々可愛らしく、数年後は間違いなく美女と言われる筈だと晃は思う。レオナは大人の女性で、ソレイユの行動にニッコリしている。
ソレイユはスタイルも抜群で晃は目のやり場に困る。
ソレイユは晃のヒュドラとの戦いを見ていて、助けられたのと晃の戦う姿に惚れてしまったのだ。元々男勝りで勝ち気な性格だが、初めて本気で恋をしてしまい、どうすれば良いか分からず、的はずれな行動になってしまっていた。
どんな格好で戦うか悩んだが、大輔に付き従う3人の女の格好に釘付けになっている晃を見て決断したのだ。間違った決断だが、本人は必死にアプローチを掛けているのだ。
「あ、あのねソレイユさん、防御力が下がったと思いますけど、その御姿の意図は?」
「えっと、団長が、その、こういう格好が好きなようなので、頑張りました!私どうですか?似合ってますか?」
「う、うん。可愛くて素敵なんだけど、スタイルが良すぎて目のやり場に困るよ。その格好じゃないと戦えないと言うなら別だけど、僕が落ち着かないからせめてマントを羽織ってくれないかな?」
「あっ!ひょつして照れてますか?うふ。恥ずかしいけど頑張った甲斐があります!私って馬鹿だから、団長に御礼をしたかったんだけど、目の保養になるくらいしか思いつかないんです!」
「うん。十分目の保養をさせてもらったから。ありがとう。だから上に何か羽織ろうよ」
ソレイユは何故かニコニコしながらビキニアーマーを気に入り、前が見えるマントしか着けないようで、晃は注意するのを諦めて先に進むのであった。
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