カサンドラ症候群

 実は昨日、母の誕生日でした。


 朝一番にラインで「誕生日おめでとう」というメッセージを送っていたら、夜になって返事が返ってきました。


「ありがとう。○歳になりました」と。短いですが、ああ、そんな歳になったんだなとしみじみと感じました。


 すぐに「まだまだ若いんだから長生きしてください。いつも心配、迷惑をかけてごめんなさい」と返したら、次に母から返ってきた言葉に泣いてしまいました。


「いいえ。いつも助けてくれてありがとう。感謝しています」


 離れて暮らすようになってから、お互いに相手を思いやる言葉をかけられるようになりました。


 母はもしかしたらカサンドラ症候群でもあったのかもしれません。


 カサンドラ症候群というのは、家族や配偶者がアスペルガー症候群だった場合に情緒的な相互関係を持てず、心的ストレスにより不安や抑うつなどの心身症状が起きている状態を指す言葉だそうです。


 考えてみれば当てはまることがいくつもあります。私は何かに夢中になっている時は話しかけられても気づかず返事もしなかったり、思ったことをすぐに口にして母を傷つけていたのだと思います。子どもの頃は、母の不安定さが怖かったのですが、そうさせていたのは私かもしれません。


 自分の間違いを振り返りながらいい関係が築けるように、これからもやっていけたらいいなと思います。

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