小説を通じてできた縁

 私は元々読むのが好きでしたが、書き手になるまで感想を書いたことがありませんでした。


「面白かったです」「続きが楽しみです」といった感想だと、書き手さんが嫌がるような気がしたからです。


 具体的にどこがよかったのか、どこが気になるのか、そういったことを書かないと、相手に失礼なのだと思い込んでいました。


 ですが、書き手になって、そういった感想が本当に嬉しいことに気づきました。その感想のおかげで完結することができたと思ってもいます。


 そこから、面白そうだと思った作品を見つけてはポイントをつけて感想を書いていました。


 すると、様々な方と交流を持つことができました。


 読者様がいなくても完結させる強い意志を持った方、書き手だったけど応援する方が向いていると活動を休止した方、サイトが合わなくて退会された方……本当に様々です。


 去っていかれることが辛くて、私も辞めてしまおうかと思ったことが何度もあります。


 それでも残って書き続けているのは、またいつかその方々が戻ってくるかもしれないという期待をしているところもあります。


 そして、活動を始めた頃に知り合った方が私の作品に書いてくださった感想が今でも印象に残っています。


「小説は、読むのも書くのも楽しいですよね」


 本当にそうです。書くのは大変です。プロットを考えて、それを形にするまでの途方もない孤独な作業。それでも楽しいから続けられる。その方に、色々と教わった気がします。


 一期一会。その縁を大切に、これからも活動ができればいいなあと思います。

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