散った恋はまた実るのだろうか?
@yukutya
プロローグ
プロローグ
俺の名前は
「今日で夏休み最後の日か」
そう今日は、高校生最初の夏休み最終日だ。
「そうだね〜」
「お前は何でそんな楽しそうなんだ?」
妹はなぜか楽しそうにしている。
「にぃには私が楽しそうにしている理由に関係ないじゃん」
「確かにそうだけど・・・。お前はいいのかよ?」
「いやだってさ、いくら足掻いたって意味ないじゃん」
「いやお前もうちょい夢見ろよ」
「あなたみたいに高校生になってもなにも変わってない人とは違うので無理で〜す」
「それ俺のこと煽ってんのか?」
「そんなわけないじゃん」
「そうかよ」
何だこの妹愛想がねえなぁ。
「まあ仕方ないか」
そしてその最終日は特に何をするわけでもなく幕を閉じた。
これ一回言ってみたかったんだよね。
そして月日は経ち今に至る。
加藤美月さんが転校してきて数日たったころ。急に彼女が話しかけてきたのだ。
「ねえねえ、蓮くん?」
勿論それまで授業でしか話したことはない。
隣の席だからあり得るかなどと考えたりしていたら唐突に。
「蓮くんって好きな人いるの?」
一瞬「は?」と思ってしまった。
しかし我に帰って落ち着いたらこんな事を考えてしまった。
『こいつ、俺の事好きなんじゃね?』と。
だってそんな事を可憐な同級生に聞かれた時こう思わない年頃の男子高校生はいないだろう。
まあそんな事を突然言われてびっくりしたが一旦落ち着いてこう言った。
「いや今は特に」
この答えしか無いだろう、正直に答えられない、「実はあなたに一目惚れしてました」なんて答えられるか!
まあ、歳頃の男子高校生なんてそんなもんだろう、うん。
そんなこんなで会話は続いた。
「本当にいないの?」
「本当だよ」
「嘘だ〜年頃の男子高校生で好きな人がいないなんて」
「本当だ」
「じゃあまだチャンスはあるんだ」
「ん?何か言った?」
「ううん、何も言ってないよ」
「そっか」
何かもったいない事をした気がするけどまあいい。
こんな会話をあって数日で話すとは思ってもいなかった。でもなんだろう何か変なものを感じた。
そう違和感のようなものを。
その違和感は言うならばデジャブのようなそんなものだった。
そんなこんなで一日というものは終わるもので永遠に続く訳が無い。
でも、今日はあれだけ話したんだきっとこれから仲良くなっていくだろうなんてことを考えながらその日は幕を閉じた。
次の日
朝登校すると既に彼女は学校についていて本を読んでいた。
「おはよう」
「おはよう」
お返事が返ってきた。
まあこれでここから仲良くなっていくのだろう普通なら・・・。
そのおはようと言う言葉を交わしてから一時間二時間三時間と時間は過ぎて行ったが、全く言っていいほどそのあと話す事は無かったのだ。
話した事といえば2限目の文化祭の話し合いでの班での話合いだった。
もうそれは話している内に入るのか疑問だがまあとにかく俺の中ではもうかなり仲良くなって休み時間に話したりしてどんどん友達みたいになって行っていつの間に友達になってるはずだったのに急に素っ気なくなった。
なんて考えても一向に会話するような空気みたいな物はなかった。
そして日はどんどん過ぎて行き気付けばもうも1週間経っていたのだ。
結局あの日に交わした「おはよう」の一言以降から俺たちは話さなくなってしまった。
そうこんな事でこんなに複雑で悲しい結末になるなんて俺にはわかるわけがなかった。
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