勝利の行方は誰のもの
江田・K
第一話 対峙
衆人環視の真っ只中、二人の男が四角いリングで対峙していた。
血と汗の染み付いたリングは、彼らにとっては他のどんな場所よりも馴染みのある場所だろう。居心地がいいかどうかは別として。
赤コーナーはチャンピオン、
一方の青コーナーは
両者がリング中央に寄り、レフェリーチェックが入る。
「久しぶりだなァ、京。よろしく頼まァ」
「……今日こそ、僕が勝つ」
「ハハッ、ソレ毎回言ってんゾ?」
彼らの因縁は学生時代――アマチュアボクシングの頃まで遡る。
これまでの対戦は、全て生田が勝利で終わっている。
増田にとっては因縁の、越えられない、そして絶対に越えなければならない相手。
それが生田だった。
何か言い返そうとした増戸より先にレフェリーが注意を飛ばす。
「私語は謹んで」
「ういっス」
「……はい」
「よろしい。
二人がそれぞれのコーナーに戻り、試合開始のゴングが鳴る。
大いに盛り上がる客席。
しかしその盛り上がりは一転、どよめきに変わった。
――右利きの増戸が
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