第24話:女装をしよう!①
朝、起きると僕は自分のベッドに寝ていた。
昨日は耳かきをしてもらっている間に寝ちゃっていたからお母さんが運んでくれたようだ。
でも…何か違和感が…?
「あっ!!??」
横では雪がスヤスヤと寝ていた。また忍び込んでいたようだ……。
「雪ー、起きてーー」
「んー…どうやら悪い呪いをかけられたようだ…起こすには七美のキスが必要です」
「ほら、起きて学校行くよー」
「んもー…つれないなぁ」
雪を起こし、朝ごはんを食べて学校へ向かった。
学校では特に何もなく、そのまま下校となった。
「七美ー!一緒に帰ろ!」
「雪、わかった!」
今日の登下校は雪と一緒だ。
おしゃべりしながら帰り、僕の家の近くまでつくと、家の前にフードを被った人が誰かを待っているようにして立っていた。
「……なんだろうね、あの人」
「怪しいわね……」
フードを被った人は僕らを見つけると、こちらへ向かって歩いてきた。
「七美くん!」
「あの……私の七美に何か用がある?ですか…?」
雪が僕の前に立ち、相手に立ちふさがった。
「あら…あなたべつに家族とかではないでしょう?いるのは妹だけ…違う?」
「なんで知っているんですか…もういいです、ほら七美帰ろ」
「え?え?」
いろいろとツッコミどころがあったよ?
「私よ!春渼よ!」
そう言うとフードをとり、素顔を見せた。
そこには昨日ぶりの春渼さんだった。
「あれ!?春渼さん!?」
「えっ!!知り合いっ!?ていうか今人気の女優!?」
「そうよ!今日はちょっと手伝ってほしいことがあって来たの!」
この前雪が僕たちを助けてくれた時は春渼さん、フードとってなかったからわからないらしい。
「手伝ってほしいこと?」
「そう。……私と付き合ってくれないかしら?」
「ん?」
「は!!??」
僕は買い物に付き合ってほしいのか…。でもなんで雪そんなに驚いているの?
「ああ…買い物にね」
「ほっ……。っていうあんたちょっと来なさい!」
「わわわっ」
雪が春渼さんを連れて少し離れた場所で話し始めた。
〜二人の会話〜
「あんたどうゆうつもりよ、まさか七美を変なことに使う気じゃないでしょうね……」
「それはない!本当に買い物一緒に行きたかっただけです」
「いや、それはそれで問題じゃない!」
「はあ……仕方ない…じゃああなたもついてくる?」
「え!?私も!?いやいや、行くんだったら七美と二人っきりで行きたいわ…」
「ふっふっふ……。いいものが見れるかもしれないのよ?」
「な、何よ」
「私は女優。万が一バレた時、私が男性と歩いているとなるとまあまあ問題になってしまうわ。まあ七美くんを女って言ったら通る気がするけれど…。だからね……“女装”させるのよ!」
「はっ!!??」
「その反応…七美くんはまだしたことがないのね…」
「ま、まあ今回は私が同行するということで許してあげるわ!」
二人は互いに握手をし、七美へと近づいていった。
二人の目は草食動物を狙う肉食動物の目だった。
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