第20話:超人気女優
僕たちはお店を出て、そのまま家へと向かった。
だが、帰り道の途中で。
「あっ!!やっと見つけたわ!!」
「!?」
突然フードを被った知らない人に話しかけられた。
「もうどれだけ探したことが……さあ、恩返しさせてもらうわよ……」
「ちょっとすいません!わ・た・し・の!七美に何の用ですか!」
「えっ?」
僕は華の所有物だったのか…?
「ああ、ごめんなさいね。自己紹介がまだだったわ。私は
彼女はフードをとった。するとそこには金髪で顔がすごく整っている美人がいた。
髪型はふわっとしていて、おしゃれな髪型だ。
「はっ!?心音!?お兄ちゃんなんでこんな有名人と知り合いになってるの!?」
「えっ?どういうこと?」
「この人…この顔は確実に今大人気女優の春渼 心音よ!はっ!?まさか浮気っ!?」
華は何を言ってるんだ?僕付き合ったこと一回も無いのに……。
っていうかこの人が島崎さんの言ってた人気女優!?
さすがに何かオーラが違うような…ってん?
確かこの人はさっきの。
「あー…もしかしてさっき僕が助けた?」
「そうよ!」
やっぱりそうか。
「華、この人はさっき僕が助けた人なんだ。男の人に囲まれていて困っていたから僕が止めに入ったんだ」
「なるほど!さっすがお兄ちゃん!もし私が困ってたら助けてくれる?」
「もちろんだよ!大事な妹だからね!」
「やったぁ!お兄ちゃん大好き!」
そう言い、華は僕の腕に抱きついて来た。
「ちょ、ちょっと華!恥ずかしいからやめてよぉ…」
(お兄ちゃん渡さないわっ!いきなり出てきた泥棒猫なんかに渡すものか!)
「…私がいる前でいちゃつかないでくれるかしら…?」
「えと、ごめんなさい…。それで、僕に何か用があったんですか?」
「はっ!?そうよ!すっかり忘れてた…さっき助けてくれたでしょ?だから恩返しさせてほしいの」
わざわざ恩返しするために僕を探してたのか……いい人なんだなぁ。
「いいですよ、悪いですし」
「いいや!ダメよ!そうね…今日この後何か困ることとかはある?」
「え?えーと…あっ、そういえば今日はお母さんいないからご飯作らないと…」
「!?それよ!!じゃあ早速あなたの家へ行くわよ!」
「えぇ!?そんな大丈夫———」
「私は絶対許さないわっ!!!」
僕が喋り終わる前に華がそう叫んだ。
「今日はお兄ちゃんと二人きりなんだから…誰にも邪魔させない……!」
「むむむ……そうね、じゃあこんなのどうかしら?ちょっとこっちに」
春渼 心音さんが華を手招きしてそのままコソコソと何かを話した。
(私が女優人生で培った相手をメロメロにする方法を教える…なんてどうかしら?)
(何っ!?それがあればお兄ちゃんを……よし乗った!)
七美も大概だが、華も兄のことになるとちょろいのであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます