第12話:体育の授業
朝の喧嘩は完全に終息し、僕たちは学校に登校した。
「あ、七美くんおはよー……ってその首の跡どうしたの!?」
いつも通り教室に入り、島崎さんに話しかけられた。
「ああ…実は虫が何かに刺されたじゃないかな?」
「いやそれ…完全にキッ、キキキッシュ……」
「キッシュ?」
なんでキッシュ…?たしかに美味しいと思うけど…。
……なんかみんなもこっちを見てそわそわしている…。
考えていると島崎さんが一息つき。
「……そうね…昨日妹か誰かと寝た…?」
島崎さんが真剣な表情でそう言ってきた。
「えっ!すごい!なんで妹と寝たってわかったの!?」
「なるほど……理解したわ。妹は強敵ね……」
「えっ…どういうこと?」
「「「「ほっ……」」」」
島崎さんが言っている意味がよくわからなかった……。
クラスのみんなも一斉にホッとしている…?
華も一緒に寝ることは普通って言ってたから大丈夫別に話しても大丈夫だよね。
あっ…そういえば一時間目は体育の授業だった。移動して着替えないと。
「じゃあ島崎さん!僕着替えてくるね!」
「はっ…!?そういえば一時間目体育だったわね……」
〜〜
「えー、今日はサッカーをやるぞ」
今日の体育はサッカーか……運動は基本的に苦手だけどサッカーはもっと苦手だ…。
だって蹴ろうとしても蹴れないもんっ!
それはさて置き、体育の先生はボーイッシュな見た目だが、美人でカッコいい!と、男子生徒からも女子生徒からも人気の“
「さて、早速チームに分けるぞー」
男子と女子は別々でサッカーをすることになった。僕のチームはみんな運動神経がいい人達ばっかりだから……。
「みんな……僕サッカーすごく苦手なんだ…だから足を引きずったらごめんね…?」
僕は多分…いや絶対足手纏いになるだろうからあらかじめ謝っておくことにした。
「いや!全然大丈夫だ!なんなら応援しているだけでやる気が……うおおおお!!」
「ああ、そうとも…!できればチアリーダーの服で…グホォッ!」
「変なことをさせようとするな……大丈夫だよ、みんなで助け合っていこう!」
「足手纏い……?サッカーだけに?なんちゃって!」
「「「………」」」
なんだか周りが一気に寒くなった気がする…!ここはみんなが気にしないって言ってくれたみたいに助けてあげないと!
「えーと……面白かったよ…?」
僕は少し微笑みながら言った。すると。
「天使か?」
「天使だ…」
「おお、天使よ」
「天使はここにいたか……」
「グハッ!」
「南無阿弥陀仏…」
……?よくわからないけどとりあえず助けられた……?
いつのまにか相手のチームも来ていたみたいだ。
そしてピーー!っと笛の音がなり、サッカーの試合がスタートした。
「よしっ…行くぞぉ!
「「「おお!!」」」
僕もなるべく頑張らなくちゃ!
最初は僕たちのチームからボールを蹴ってスタート。
「おい!こっちパス!」
「おうよ!」
と、見事なチームワークでどんどんと前に進んでいっている。
僕?僕は付いて行ってるだけだよ……。
そしてゴール間近までくると。
「七美!パス!決めたれぇ!」
と、僕に向かってボールを蹴って来た。
「えっえっ……!ちょ、ちょっと…えぇーーっと…えいっ!」
僕がボールを蹴った。蹴れたが、さっきまでの威力がほとんどなくなってしまい、ヒョロヒョロのボールに変わってゴールへ向かっていった。
「「「「「…………」」」」」
みんなが無言でこっちを見ている。
「は……恥ずかしいぃ………」
僕は自分で顔が真っ赤になっているのがわかるほど顔が熱くなるのがわかった。
だが、なぜかゴールキーパーが微動だにせず、立ち尽くしていた。ボールを取りに行こうとせずに……。
そしてそのままシュートした。
ピーー!っと点が入り、笛の音がなった。
「やったな!七美!お前のおかげだ!」
「ふふふ…こちらの作戦勝ちか…」
「チアリーダーも考えたがやはりこれもよき……」
「えっ?えっ?どういうこと!?」
僕のおかげ…??ただゴールキーパーの人がなぜか動かなかったからじゃないの?
周りから見ていた他の男子や女子達も。
「あれは七美のおかげだな」
「うん、笹田のおかげ」
「七美万歳」
「七美くんかわいい!」
「今日のベストプレイだな!」
「今宵は宴じゃあー!」
「まだ夜じゃねぇよ…」
っていうか周りのみんなから見られていた!やっぱり恥ずかしい!
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
なんか…キッシュじゃなくてお好み焼き食いたくなってきた。
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