第16話
その頃二人はあと少しで出口という所まできていた。
「ねぇ、なんで?なんであんなに嫌ってたのになんで助けにきてくれたの?」
「アルバムを見てて思い出しんだ。」
過去の思い出がよみがえる。
昔の僕だ。
小さい僕と妹の愛が父さんにビデオを撮ってもらっていた。
「あーあー聞こえますかー。」
「ますかー。」
「こちらは地球。星野ヒロです。」
「愛です。」
「宇宙人さん。見えてますか?・・・」」
「僕は宇宙がとっても大好きです。」
「愛もー。愛は、愛はお兄ちゃん大好き。」
二人は仲良くくっついていて満面の笑顔だ。
「もしこのメッセージが届いてれば家にきてください。僕の弟にしてあげる。」
「ずるーい。お兄ちゃんだけー愛は妹がほしいの~。」
「心配するな。弟でも妹でも愛と一緒にお兄ちゃんが守ってあげるから。」
昔の想い出だ。宇宙へ飛ばして忘れていた思い出だ。
「お兄ちゃん?何を思い出したの?」
宇宙人が不思議そうに顔を覗き込んだ。
「だからお兄ちゃんじゃないって言ったろ。
それにお前も愛じゃない。
だけど、
お前も僕の大切な妹だ。
だから守る!
だからお前も愛の代わりになんてなるな。
たとえ記憶や顔が同じでもお前はお前で愛とは違う存在なんだから。」
「うん。」
背中をぎゅっと捕まれる感じがして心が暖かくなった気がした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます