第3話
「ただいまー」
帰宅するとすぐに
「おかえりなさーい」
母さんだ。ちょっとしたことでもすぐ笑い、いつも元気で明るい母親。
「手を~あらって~うがいして~はい!」
いつものように変な歌を歌う母さんをスルーし自分の部屋がある2階へ上がっていく。
明日は土曜日。夜中まで勉強ができる。
ごはんを食べて。お風呂に入り。また勉強。
最近はこの繰り返しだ。
僕の部屋は、勉強机とベット。本棚には勉強の参考書。窓の側には昔父に買ってもらった望遠鏡があるだけの殺風景な部屋だ。
「ふぅ」
勉強の区切りがついて一息つき伸びをすると心地よい風が通りすぎた。時刻はもう夜中の一時をすぎていた。
「そういえば。」
なにかを思い出したかのように窓辺に近づく。
「今日は流星群が見える日だった。」
勉強の息抜きをかねて望遠鏡を覗いた。
望遠鏡を覗くのは3年ぶりだった。
あの日以来望遠鏡は覗かなくなっていた。
「すげぇ、」
一面の星空と流れ星。思わず声がでた。
すると一際輝く流れ星が。
その星はどんどん大きくなっていく。
望遠鏡から顔を離すと流れ星が落ちてくるではないか。
星はまぶしい光とけたたましい音をたてて裏山へ落ちたのだった。
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