~鬼女~2
悲報を聞いたのは光一さんを占って3日目だった…
プルルルル…
プルルルル…
ガチャ…
「はい、占竜です」
「占竜さん…
光一さんが…」
佐藤さんがワラにもすがりつくような声で電話をかけてきた…
占竜の顔から血の気が引いていく・・・
光一の状況を確認することも忘れ最悪の状況を
思い浮かべてしまう…
占竜は心の中で叫んだ…
そっ…
そんな…
早すぎるっ!
泣きながら話す佐藤さんの声は聞き取りづらく
何を喋っているのかわからない…
「佐藤さん!
落ち着いて!」
占竜は己に言い聞かせているようだった…
「光一さんがどうした?」
死相がでていた光一さんだ…
最悪のケースも考えなければ…
話の続きは聞きたくはないが
そうもいくまい…
「光一さんが倒れちゃた…
原因不明で意識がないんですぅ…」
死んだ訳ではないみたいだ…
良かった…
フゥ~っと少し気が抜けた占竜はつい口走ってしまった…
「死んではいないんですよね?
生きているんですよね?」
「死っ…死ぬわけないじゃないですか!
えっ?…
光一死んじゃうの?
占竜さん、何か原因知っているの?」
しまった…
口がすべってしまった…
「いや、占いした時にちょっと…」
マズいな佐藤さんに話すと
佐藤さんまで狙われてしまうかもしれない…
店には近づかない方がいいと佐藤さんに警告をしたいのだが…
隠しとおせるか…?
占竜がどう話そうかと考えていると
佐藤さんの方から
「占いした時に何を見たんですか?
あの店に何があるんですか?」
これは隠すのは無理だなと腹をくくり
佐藤さんに真実を告げようと重い口を開いた…
「………わからない…
でも、ヤバいってことだけはわかります…
この件にはかかわらない方がいいですよ…
巻き込まれる可能性もありますし…」
「そんな…
なんとかできないんですか?
光一さんは、私の大事な友達なんです…
お願いです…
助けてください…」
佐藤さんは泣きながら
あの店と
光一さん本人から頼まれないと手が出せない…
「ダメですか?
光一さんが占竜さんの悪口言ったからですか?
怒っているのはわかりますが、お願いです…
助けてください…」
どうする…
自分だって何とかしてあげたい…
だが、店の中で原因を探さないと…
詐欺師と思われている自分を光一さんは店に入れてくれるか?
因縁を断ち切るのにはどうやっても光一さんの
佐藤さんに光一さんを
下手をすると佐藤さんまで・・・
いや、そんな弱気でどうする…
もし、光一さんが殺されてしまえば
佐藤さんは一生苦しむことになるだろう…
占竜は意を決すると佐藤さんの想いを試した…
「佐藤さんまで巻き込まれるかもしれませんよ?
命の保証はしません!
かまいませんか?」
「かまいません!」
女性は強いな…
占竜の迷いを佐藤さんが吹き飛ばしてくれた…
「では、
自分は原因と思われる店の方にむかいます!
護符をかざせば光一さんの意識を取り戻せるハズです!
それと光一さんにお祓いをする許可をとってもらいたい…
お願いできますか?」
「はい!
やってみます!」
「では、護符を準備しておきますから
とりにきてください」
「ありがとうございます…
本当にありがとうございます…」
泣きながら
まだ助かるかわからないし佐藤さんの命も危ない…
御礼は全部終わってからにしてください…
と佐藤さんに話したが
それでもありがとうございますと何回も言っていた…
まずは今日のお客様をキャンセルしなければ…
今日、予約を入れてくれていたお客様に
日にちをずらして欲しいと謝りの電話を
さあ、戦闘準備だ…
占竜よ…
考えろ…
光一さんの店に何がいるんだ…
何が目的だ…
どの
俺に気づき一か月はかかるであろう事を3日に短縮できる相手だぞ…
考え抜いたあげく
占竜は
これで守護できるはずだ…
書き終わると同時に佐藤さんが占竜の店についた…
「占竜さん!」
佐藤さんは泣き通しだったのだろう
目が真っ赤に
占竜は
「こっちの護符は佐藤さんのです…
こっちの護符は光一さんのです…
光一さんも肌身離さずに持っていてくれたら嬉しいのですが…」
佐藤さんはわかりましたと護符を受け取ると
光一さんのもとにむかった…
さあ、俺は俺の戦いを始めるか…
占竜はお祓い道具を車に積み込み
光一さんの店へとむかった…
店の近くに行くと救急車のサイレンが聞こえる…
おかしいな…
光一さんは病院のはずだし近所の方かな?
と安易に考えて光一さんの店にむかったが
店の前に救急車が止まっている…
何故?
光一さんは一人暮らしのはずだぞ!
救急車にかけよると老人が光一さんの店から救急車にのせられている…
それに付き
誰だ?
近所の人が救急車を見にきていたので聞いてみた…
「すいません…
今、居酒屋からおじいちゃんが救急車にのせられていましたが
あの店は今日休みですよね?
店主は一人暮らしのハズだと…」
光一さんの友達と名乗り
近所のおばさんに教えてもらった…
「あら、知らないの?
光一さんが急に倒れて…
ご両親とおじいちゃんが病院にきたみたいなんだけど
田舎からでてきたみたいで
今日は光一さんの部屋に泊まることになっていたみたいよぉ~…
それで、今度はおじいちゃんが倒れたみたいね~…
いやぁ~ね…
あの店、絶対呪われているわよ!
知ってる?
光一さんが引っ越してくる前に
居酒屋経営していた人!
店を開けて一ヵ月も経たないうちに
亡くなったらしいわよ~
怖いわね~」
なにっ!?
前にも犠牲者がいたのか!
ムチャクチャヤバい場所じゃないか!
光一さん下調べもせずに借りやがったな!
占竜はおばさんにありがとうございますと御礼を言って車に戻った…
どうする…
店の外からでもいぶりだしてやろうかと思っていたが…
前にも
外からいぶりだすなんて無理な相手みたいだな…
精神を集中させ考えを巡らせていた時…
プルルルル!
携帯の着信を見ると佐藤さんからだった…
「はい、占竜です」
「占竜さぁ~ん!」
大泣きの佐藤さんから電話が入った!
まさか間に合わなかったのか?
護符が効かなかったのか?
「どっどうしました!
護符はっ!
光一さんはっ!」
急に電話からガタガタと聴こえたかと思うと
男性が話してきた…
「占竜さん…
電話変わりました…
俺は占竜さんの護符のお陰で意識を取り戻しました…
ありがとうございます…」
光一さんっ!
良かった…
でも光一さんも泣いているようだ…
泣いているのを隠してはいるみたいだが…
声がかすれている…
「光一さん!
無事で良かった!」
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