転生魔術師と神造人間

端山 伊紀

第一章

第1話 友人からの手紙

 ある日、俺の友達が使い魔経由で、手紙を寄越した。この世界では、使い魔を使っての手紙は、正式なものとはみなされないため、急を要するときにしか使わない。奴からの手紙は、いつもちゃんと情報局経由でしか来なかったのだから。




 手紙の内容は…


 「よう。元気にしているか?俺は、そう長く無さそうだ。持ってあと、2-3日しか持たないだろう。


 転移の結界は張ってないからすぐ来てくれ。


           お前の戦友より 8/1 」




 「おいおい。今日は、8月2日の深夜だぞ!」


 「やつは、使い魔の教育を間違えたんじゃぁないのか?」「やつは、弟子にも恵まれなかったし。」




 「よし。いまから行く」


 まずは、奴の居場所か。


 ≪探知魔法展開・最大出≫


 あ、いない。


 じゃあ、反対でするか


 俺の家は、新しくするときこの星をすべてカバーできるように買っている。


 部屋に設置された転移門を通り、反対の家でもう一度探知魔法を発動する。


 ≪探知魔法展開・最大出力≫


 は?


 なんでこの家の隣に住んでんだよ。もう家に来ればいいじゃない。




 そういえば、昔に死ぬ前に食べたい食べ物は何かっていう話をしたときは、奴は唐揚げが食べたいって言ってたな。


 鶏肉を持ってくか。


 ≪創造魔法・食料生成≫




 §§§




 「お~い!来たぞ」奴の家に来て、俺は言った。


 すると、見かけない少女が出てきて、


 「アレクサンドル・フォン・アズナヴール様は、寝室でお持ちです。」と言った。




 紹介しよう。奴ことアレクサンドル・フォン・アズナヴールは、異世界からの転移・転生者である。


奴は赤子の時に、この国の魔術研究機関が山の中でピクニックをしているときに見つけられた。


その時から、言葉をしゃべり神童と呼ばれてた。その後、奇妙な魔術を作り出すことから、異世界からの転移・転生者として知られるようになる。しかし、奴は魔力量に乏しかったため、魔道具作成に力を注いできている。




 「ところで君は?」と先ほどの少女に尋ねた。


 「私は、デボラです。」と言った。


 「デボラと言えば、神話に関わるが、それに関係しているのか?」と俺は尋ねた。


 それもそのはず。デボラという名前は、王族ですら名乗れない禁忌の名前なのである。


 それは、神造の生体にしか付けられないからである。


 「そうか。」怪しいから、避けることにした。奴は、厄介なことに恵まれているからな。




 「じゃ、寝室に通させてもらえるかな?」


 「では、こちらに」とデボラが言い、俺を連れて行ってくれた。




 §§§




 「久しぶりだな」と俺が言うと


 「そうだね。」「いつぶりかな?」


 「覚えていないのか?耄碌したな。」とふざけて言ってみた。


 「いや、覚えてるさ。3ヶ月23日前だ。前の俺の家ではっちゃけただろ?」


 「ああ。」やはり覚えていたか。死期が近いから、衰えたと思ったのだが。


 「ところで、死期が近いのか?」今日の本題に入る。


 「まあね。ちょっと僕にかけた呪いが、キャパを超えたらしい。」


 「そんなことがあるのか。初耳だ。」


  その後、1時間程度そのことについて語り明かした。




 要するに、人の根源には大きさがあり、その大きさによって、魔力量も変わるらしい。


呪いというのも、掛けられる量が決まっていて、5日前にかけた呪いが大きすぎたことで、死にかけてい


るらしい。しかし、異次元に繫がる結界を根源に展開して、事なきを得たらしい。


 しかし、その根源も限界があるようで。


 それもそのはず。


 根源というのは、外部からの直接接続は、できない仕組みになっている。そこを、無理やり突破したから死期も早まったそう。




  しかし、疑問点は、別にある。


 「ところでなんで俺を呼んだんだ?」

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