目覚める前から降り出した雨は窓を絶え間なく叩き


僅かに角度をつけて降る雨は傘をさす人々の足元を濡らす。


電車には濡れた傘が他人に当たるのに気づかない女



周りを見渡せば皆が布で顔半分を隠し

目線は手の中、鉄の箱

液晶の上で忙しなく飛び交う指



隣の友達は持っている傘を差さずして濡鼠となり

私は傘を広げる。


濡れた貴方は晴れやかに笑い

雨を含んだ私の心は

重く

沈む

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る