ひまわりと過ごした夏

ひまわりの赤の他人さん

第1話

ひまわりと話すため、下校は毎日その道を通った。雨の日も、風の日も。あいつは空が曇っていると、あの子が見えないのできまって不機嫌になった。それでも私は話し続けた。私の話で少しでも日常の足しになってくれればいい。そんな気持ちで毎日ひまわりの元へ通った。ひまわりもひまわりで、周りに誰もいないような場所に生えていたから、あいつの見えない世界の話をする私が来るのを待っていた。


出会って一週間後、あいつは私の方へ初めてその顔を向けた。

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