設定資料集Ⅹ 人物紹介・専門用語解説集

《人物紹介》

 ・川越明宏(かわごえあきひろ)(32)

 魔法軍北方特務戦闘団第一大隊大隊長。魔法中佐。能力者ランクA。得意属性・雷。一八〇センチと背が高く、適度に鍛えられ洗練された体格を持つ男性だ。頭髪はやや長め。声質はやや低く、頼もしい雰囲気を感じる。フェアル使用者の集まる大隊を束ねる秀才でもある。

 彼が率いる第一大隊は特務連隊第二大隊と比肩するほどの実力を持つが、冬季戦に限れば特務連隊第二大隊を上回る。そのトップに立っていることもあり、フェアルの操縦技術は超一流で、魔法軍フェアル戦技では五本の指に入るほど。冬季かつ悪天候の最も強いとも。

 趣味は編みぐるみやぬいぐるみの製作。よく意外と言われているとのこと。大隊長室には魔法軍のマスコットの編みぐるみが置いてある。



 ・松坂紬(まつさかつむぎ)(29)

 魔法軍北方特務戦闘団第二大隊大隊長。魔法中佐。能力者ランクA。得意属性・火。

 日本人女性の平均身長よりかなり高い一七五センチで、スレンダーな体格であるからファッションモデルとして雑誌に掲載されていてもおかしくない女性。声質も凛としており璃佳程ではないが長い黒髪も相まってクールな印象を持たれるが、戦闘になると豹変するとは大隊内の部下の評価。放送禁止用語のような言葉も時折出るとか。

 彼女が率いる第二大隊は面制圧の大火力を得意とする。彼女自身もド派手かつ高威力の魔法を得意とする。が、連発性のある低火力法撃もそつなくこなす。

 趣味はバイクでのツーリングとキャンプ。大隊内にツーリングとキャンプの同好会がありそこのリーダーでもある。平時では年に二回か三回ほど合同ツーリング&キャンプを開催していた。ホットサンドメーカーを使ったメニューをいくつも知っているとか。



 ・高松裕夢(たかまつひろむ)(28)

 魔法軍北方特務戦闘団第三大隊大隊長。魔法中佐。能力者ランクA。得意属性・風。

 男性としてはやや小柄の一六五センチで、少し細身と感じる体格の男性だ。寡黙というよりかはぼんやりとした雰囲気で、第一印象だけ見ればちょっと暗い人という感想を抱く人々もいる。しかしいざ戦闘になると、とても頼もしい存在になる。彼が率いる第三大隊の役割は敵部隊を寸断、撹拌して各個撃破する遊撃戦。奇襲にも長けており、夜間戦闘を何度も成功させているほど。彼自身も隠密行動に優れており、敵は気付いたらこの世からオサラバしているような事が何度もあった。

 また、彼は指揮能力・判断能力に非常に優れており蓼科が彼の意見を参考にするほど。璃佳も第一特務に引き抜きたいくらいと言っているくらいである。

 趣味はオンラインゲームからボードゲームまでゲーム全般。人狼ゲームがめちゃくちゃに強く、彼が人狼になった時はもう大変なことになる。



 ・糸貫紗英(いとぬきさえ)(33)

 第101魔法旅団戦闘団後方支援大隊大隊長。元・日本軍統合司令本部参謀部後方参謀。魔法少佐。能力者ランクC+。日本人女性の平均くらいの身長で、体型は璃佳が羨ましく思うくらいの双丘の持ち主。それでいてウエストは引き締まっているのだから、璃佳が「同じもん食ってああだもんなあ……」と嘆いていた。らしい。おっとりとした印象を人々に持たせる性格で、マイペースでもある。

 彼女の後方参謀としての経歴は華々しい。大戦が無ければ平時としての順調な出世が約束されていた。

 趣味はゲーム実況。腕前は高松ほどでは無いがそこそこ上手い。また他の趣味に美味しいインスタントラーメン作りがある。彼女の手にかかるとインスタントラーメンが別モノと思えるほどに美味くなるとは、後方参謀部の同僚談。



 ・土岐誠志(ときせいじ)(39)

 第101魔法旅団戦闘団魔法工兵大隊大隊長。魔法中佐。能力者ランクB。得意属性・土。大柄でがっしりとした体格の男性で、キャリアも長い上に前の経歴が教官であることから頼もしく感じる。軍歴は約一七年と長く、数多くの演習から二度の海外派遣と実戦経験もある。さらに前歴が、専門性が高く指導能力が高い者でないと勤まらない工兵学校の教官も経験しており、その前の経歴が工兵大隊大隊長と実務経験も申し分ない。本来ならばあと一年程度は教官を続ける予定だったが今は戦時。各種軍学校から少数とはいえ実戦経験に長けた教官陣が実戦部隊に転属されている現状であるから、彼が魔法工兵大隊長となった。

 趣味は釣り。もっぱら海釣りの方をしている。同僚や後輩とグループで行くこともしばしばあるとか。



 ・金山宏光(かなやまひろみ)(23)

 第101魔法旅団戦闘団本部中隊付特務小隊所属。魔法中尉。能力者ランクA+。得意属性は火と闇の二属性。基本五属性もそれなりに使える。

 孝弘達と同じ帰還組。彼がいた異世界には他にも転移者がいたのだが、クソ勇者と呼ばれるくらいには酷かったらしい。色々と苦労もさせられたとか。

 彼の特徴はその外見といえる。俗的に言うと合法ショタ。本人曰く、異世界では女装して潜入任務をこなす事が二度ほどあった。というくらいに容姿が整っており、化粧を施して服装も変えれば確かに女性に見えてもおかしくない。可愛い子好きがいたら間違いなく標的にされるだろう。なお、当時の潜入任務について本人は渋々だったらしい。趣味嗜好的な意味で元から女性的な服装をすることが無かったのだから当然ではある。

 能力的には孝弘達ほど飛び抜けて強い訳では無いが、短縮詠唱で通常詠唱並の威力を出すなど十分に精鋭といえる水準にある。また、集団で戦争に勝つことを重視していたこともあり利害調整力も高い。

 趣味はカフェめぐり。転移前は色々なカフェに行っていた。



《設定資料集》

 ・雪中戦(冬季戦)

 端的に言うと寒冷地における戦闘や作戦のこと。雪中戦は通常の戦闘と大きく変わる。氷点下の気温、積雪した地形など環境が全く違うからだ。冬季における戦闘では無風状態でも極めて低気温になるが、風が吹くと体感気温はさらに低くなる。

 兵士の健康面にも悪影響を及ぼすし、装備も大きな影響を受ける。

 現実世界においては陸上自衛隊の『北部方面隊隷下北部方面混戦団冬季戦技教育隊』が雪中戦のスペシャリストとして有名。

 本作品世界においては北方方面軍が冬季戦に強いと知られていた。しかし、大戦初期に北方方面軍はCTに対してかなりの消耗を強いられ、残存した部隊は現在再編成中もしくは他部隊へ編入する形になっている。


 ・魔法旅団戦闘団本部中隊付特務小隊

 新たに編成された第101魔法旅団戦闘団の本部中隊内に編成された小隊。小隊兵員数は二〇名。隊長は米原孝弘。

 所属する隊員は全員が高位能力者で、二〇名中四名がSランクで他一六名もA+ランクかAランク。また、帰還組と同行組も多く二〇名中八名が帰還組か同行組。

 高度戦力が集中して集まっているので、孝弘曰く便利屋のように使われるのは間違いないとのこと。現に第一〇章から早速あちこちで戦闘をしている。

 二〇名でとんでもない戦力なので、少数で多数兵力を相手することも多くなってくるだろう。



 ・会津盆地

 福島県西部地方にある盆地のこと。有名な都市として、喜多方ラーメンで有名な喜多方市や会津若松市がある。

 作中世界でこの地に行ったのが厳寒期かつ二〇三六-二〇三七年は寒冬の為、かなり積雪している様子。ただし会津地域は元々雪が降る地域に留意。


 ・会津若松市

 現実世界においては会津地域の中心都市。人口は約一一万人。作中世界においても会津地域の中心都市である。人口も現実世界より少し多いくらいでさほど変わりはない。

 第一〇章第九話の頃には第三戦線部隊が奪還した。


 ・白河市

 現実世界においては福島県南部地域にある都市のこと。人口約六万人。作中世界においても人口に大きな差はない。新幹線の駅もあり、福島県南部地域において一定の影響力を持つ都市でもある。作中世界だと新幹線の毎時本数が少しだけ多いので、停車本数も少しだけ多い。

 第一〇章にて第一戦線部隊が奪還し、前線司令部を設置した。


 ・ダブルベッドドラゴン

 第一〇章第一〇話に登場した二つ首の巨大なドラゴンのこと。全長は地龍並で速力はマッハに近く、防御力も地龍かそれ以上に硬い。加えて攻撃力も凄まじかったことから、怪獣モドキどころか怪獣そのものといえる化け物だった。推定脅威度はSマイナスランクと認定された。

 郡山方面から飛来したとされるが、郡山にいたかは疑わしいことから仙台方面から飛来したのではと推定されている。

 作中において現時点で個体戦闘力最強クラスであり、戦闘機のミサイルですらあまりダメージを与えることが出来なかった。密度の高い魔法障壁を展開していたからである。

 よって戦闘機部隊に加えて魔法軍最強クラスの一つ、西特大の選抜二〇名が応戦。数名が負傷するも相応のダメージを与えていた。

 今川が直撃すれば即死クラスの攻撃を受ける直前、第三戦線の第一〇一魔法旅団戦闘団選抜部隊二〇名が到着。形勢は決定的となり、討伐を果たすことが出来た。

 このようにダブルベッドドラゴンに勝利した日本軍だが、相応の損害も受けてしまっている。最精鋭七人が戦線離脱、戦闘機も一機が被撃墜二機が重整備行きで戦線離脱となっているなど、これまでに比べて被害が目立った結果となった。幸い死者は出なかったが、璃佳曰く「いくつもの幸運があった。もし一つでもどこかの行動が違っていたら甚大な被害を受け、作戦見直しも有り得た強力な敵だった」と後に語っている。



 ・F-35

 現実世界でも存在している実在の戦闘機。第5世代ジェット戦闘機に分類されており、ステルス戦闘機でもある。現実世界では航空自衛隊が運用している。

 作中世界においても第5世代のジェット戦闘機に分類され、日本軍も採用しているが幾つか現実世界と違う点がある。最も違う点は日本が本機の開発パートナーとして参加していることである。これは作中世界が現実世界と違う歴史を歩んでいることが影響している。

 作中世界二〇三六年において米軍の最新鋭戦闘機であり、日本軍にとってはF-3と並んで運用されている主要戦闘機でもある。F-3は対艦戦闘も主要任務の一つにされているが、F-35は多用途戦闘機ではあるがどちらかというと制空戦闘機としての役割を多く担っている。スクランブル発進で出るのもこちらの方が多い。

 日本空軍の二〇三六年現在(開戦前)の配備数は二二八機。艦載機タイプのC型は導入しておらず、A型のみである。現実世界より軍の規模が大きい為、比例して配備数も多い。



 ・CT強化型(CT二型)

 孝弘が会津盆地での戦闘中に気づき、諸外国でも前線レベルで複数の報告があったCTのこと。以前よりやや強くなっていないか。と調査した結果、従来型のCTよりやや強化されていることが判明した。

 防御力は約一〇パーセントから一五パーセントほど強化されており、物理攻撃力は約一〇パーセント上がっている。法撃力も母数が少ないことから未確定ではあるものの約一五パーセント強化されているのではないかと推定される。速力についてはヘルハウンド型に顕著に現れており、約一〇パーセントの速力上昇と推定される。

 このように数の多いCTが強化されたことにより、日本軍は作戦の一部見直しを強いられる事となった。会津地域において強化型CTの割合は三割から四割程度であるが、これが増えるのか減るのかは全くの不明。

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