設定資料集IV 人物設定・専門用語資料集

【登場人物】

 ・今川月子(いまがわつきこ)

 日本魔法軍中佐。西方特殊作戦大隊大隊長。魔法能力者ランクS。二つ名は『大風塵の魔術師』で、得意属性は風。風属性に関しては並び立つ者無しと呼ばれる程に協力な魔法を行使する超一流の魔法能力者。風属性戦術級魔法をたった一人で行使する点はその典型といえる。魔力保有量は水帆ほどでは無いが、知花以上の魔力を持っている。

 また、大隊クラスの指揮にも非常に秀でている。その指揮能力は璃佳も認めるほどで、模擬戦で戦うとなるとガチでやらないと自分達が負けると考えるほど。

 外見は目鼻立ちが整った美人。髪の毛はセミロングの黒。飄々とした様子で振る舞うことが多い。敬語で喋ることが多い。

 趣味は映画鑑賞と乗馬。映画鑑賞は昔からの趣味でこれまでに観た映画の本数は本人曰く「多すぎて覚えていない」。乗馬は三年ほど前から始めた。最初は上手に馬に乗るのも大変だったが、開戦直前の頃にはかなり上手く乗れるようになったようだ。



 ・蓼科大吾(たてしなだいご)

 身長一八〇センチと大柄の三〇代半ばの男性。

 日本魔法軍中佐。北方特務戦闘団戦闘団長。能力者ランクA+の精鋭と称される高ランク魔法能力者。

 開戦当初から北海道の地で戦い続けており、多くの死傷者が生じた道内各地の戦闘でも生き残っていた猛者。北の守護者と呼ばれる北方特務戦闘団を率いており、個人の魔法能力だけでなく指揮能力にも優れた今の日本軍にとっては欠くことの出来ない優秀な軍人である。

 局地的には敵を押し返すなど他部隊の命や多くの民間人を救うなど多大な貢献をしたものの、CTの前には多勢に無勢。函館防衛戦では追い詰められつつあり、遅滞戦闘で民間人の完了後自分達も撤退するつもりだったがかなりギリギリの状況だった。

 その時に現れた今川中佐によって部下共々命を救われ、無事北海道から撤退。

 北海道から撤退し、本土に戻ってからこれまでの功績が認められ大佐に昇進。ただし北方特務戦闘団は損耗により現在再編成の途上にある。再編成完了までは部隊の再編成及び教育に力を出している。

 既婚者。子持ち。妻と息子は避難済み。

 趣味はスノボー。かなりの腕前らしい。戦前は家族とも旅行でスノボーとかしている。妻はスキーがかなり上手いようだ。



 ・滝山久憲(たきやまひさのり)

 二〇代半ばの若き男性士官。体格は孝弘よりやや小さいくらい。

 日本魔法軍大尉。西方特殊作戦大隊大隊長副官。魔法能力者ランクA。孝弘達や璃佳が規格外なだけで、二〇代半ばでAランクは超優秀の部類である。

 平時は事務面などで今川をサポートしつつ、戦闘では彼女の背中を任されている。状況判断能力に優れ、今川は彼にかなり信頼をしている。万が一の際には部隊を任せるつもりであるほど。

 ここまでのデータではいかにも才能の人と思われるが、実際は努力の人。才能の面もあるが、今の立場にせよ魔法能力の使いこなし方にせよ、全ては人一倍努力してきたからこその結果であり、決して自身の才能には驕っていない。

 それもあるからか、大隊内でも彼は信頼されておりとりわけ下士官クラスからはいい意味で可愛がられているし、尊敬もされている。

 趣味は雑貨屋巡り。休日に雑貨屋に行っては使えるものからいつ使うんだというものまで買ったりしている。

 もう一つの趣味はオリジナルカクテルを作ること。腕前はかなりいいらしい。



 ・クェイラス

 神聖帝国軍第五近衛騎士団第三分団分団長。フルネームは『ルフォート・ディ・ザルバンド・クェイラス』。

 ルフォート家中爵(子爵)の三男。

 神聖帝国において特権階級たる貴族階級に生まれ、近衛騎士団の分団長をつとめていた。

 しかし八王子中心市街地での戦闘で孝弘達や璃佳に完膚なきまでに叩きのめされ部隊は潰滅。自身も捕虜になる。

 捕虜になってからは黙秘を貫くことがほとんどだったが、孝弘の尋問においてワタリビトの話が出た時にはある程度会話をするなど、決して喋らないわけではなさそうだった。

 孝弘に何かを言いたかったようだが、真意は不明。



【専門用語解説集】

 ※カッコ内の数字は章と話数を表している。4-1であれば4章1話である。



 ・北海道撤退作戦(4-1)

 北海道防衛を司る陸軍三個師団、海兵隊一個師団、魔法軍一個師団及び北の守護者『北方特務戦闘団』で構成される北方方面統合軍は、一人でも多くの避難民を本土に逃がそうと海軍と連携して奮闘していたが、CTはその兵力が尽きることを知らず徐々に押されており、その最終作戦が北海道撤退作戦であった。道南以外に展開していた損耗の激しい約一五〇〇〇は撤退したが、道南ではまだ道民等民間人の避難が完了しておらず、北海道撤退作戦を任されたのは北方特務戦闘団含む約五〇〇〇だった。

 一個旅団の部隊は奮闘し、民間人は避難完了。北方特務戦闘団を含む諸部隊は撤退を開始しようとするも敵が多く困難な状況に。

 その時に現れたのが西方特殊作戦大隊。今川等の活躍により彼らの撤退も可能となり、約五〇〇〇の内、約三五五〇名が撤退出来た。

 作戦の状況については4-2を参照。



 ・北方特務戦闘団(4-1)

 日本魔法軍精鋭部隊の内、北の守護者と称される一個戦闘団一〇〇〇のBランク以上で構成される独立部隊。通常戦闘及び空中戦闘も一流だが、一番の特徴は冬季における戦闘能力である。真冬における戦闘演習では第一特務連隊ですら不利に追い込む程で、璃佳が「冬季戦は北方特務戦闘団が一番強い。私達でも追い込まれる要素が多いから、冬季戦においては絶対敵に回したくない。もし冬の戦闘を学ぶならここ」と言うほどである。

 開戦後、北海道における戦闘を撤退戦までこなしきった。ただしその分損耗率も激しく、撤退戦での生存者は七〇二名。現在は損耗した分の再編成の途上にある。



 ・西方特殊作戦大隊(4-1)

 日本魔法軍精鋭部隊の内、西方九州の守護を司る独立作戦部隊。大隊規模で、定員数は四〇〇。B+以上の能力者で構成されている。

 専門は離島防衛及び島嶼部奪還作戦。故にフェアルでの航空奇襲作戦からゲリラ戦に至るまでの多岐に渡る作戦行動をこなす事が可能。

 大隊長は今川月子。団結力は固く、阿吽の呼吸で戦闘をこなす。

 第一特務連隊はこの大隊と島嶼部作戦演習で攻撃側として参加しているが、今川中佐の的確な采配を前にかなり手こずった事がある。離島奪還はその性質上速やかに終えなければならないが、璃佳が当初想定していた一日での占領が出来なかったほど。(一日半かかってしまった)

 最終的には作戦目標は達成したものの、本土展開かつ市街戦・大規模戦闘を得意とする第一特務連隊ではこの手の部隊との戦闘は苦手と判断。訓練内容の一部を変更するなど収穫があったようだった。

 現在は小田原方面に展開中。離島では無いものの、大隊の得意分野を活かした戦闘で大活躍している。


 ・関東平野橋頭堡構築作戦(4-3)

 詳しくは4-3の作戦要項を参照。

 富士・熱海方面をおさえ、中央高地は甲府盆地を奪還した事で発動された日本にとって初の大規模反攻作戦。

 小田原方面には西方特殊作戦大隊、中央高地方面には第一特務連隊と精鋭部隊を多く展開させている。陸海空海兵隊戦力も結集され、戦力の出し惜しみをせず火力集中投入で作戦は実行中。後続の援軍も用意されつつあり、首都奪還への非常に強い意気込みを感じる作戦である。



 ・フェアルオートチェックシステム(4-4)

 賢者の瞳とリンクして飛行魔法科学機器『フェアル』が行うチェックシステムのこと。多くのチェック要項を自動で行い、異常の検知などに役立っている。


 ・エンザリア族CT(4-6)

 神聖帝国側が投入したCTの中でも成功作にあたるCTのこと。本来の姿は天使のような外見で、光魔法を得意とする少数種族。一地方の宗教の従事者であることが多いとは、捕虜からの情報である。

 最大の特徴は魔法法撃力にあり、光線系魔法は孝弘が展開し大輝も応急展開した魔法障壁の内、五枚を完全破壊し六枚目にもかなりのヒビを入れたほど。直撃弾はかなりの威力と想定される。また、移動速度も早く時速は八〇から九〇ほどと高速道路を走る車並み。

 魔法戦闘能力は非常に高いが、幸いなのは数が少ないことである。もしこれが大量に現れたのなら厄介極まりないであろう。



 ・ガチャの天井規制(4-8)

 二〇一〇年代より一躍ゲーム業界を席巻したソーシャルゲームにおいて特徴の一つとされているのがガチャだが、二〇二〇年代に入って天井規制が入った。かつては青天井のゲームもあったが、現在は一定の段階まで達すると必ず最レアキャラが出るようにされている。

 しかしガチャは沼は変わらない。


 ・閉鎖型広域魔法障壁(4-10)

 通常の人が用いる魔法障壁とは違い、広域をカバーする結界のようなもの。4-10で展開された閉鎖型広域魔法障壁は直径約四五〇メートルの半円。高さは約一〇〇メートルだった。

 強度はかなりのもので、対地爆弾でヒビが入るかどうか。戦車砲では傷つけられない。魔法で破壊する場合は上級魔法を相当数叩き込む必要がある。

 日本軍はこれの開発が途上段階で、今回登場したものほどの広さはカバー出来ず強度もこれ以下である。



 ・神聖帝国第五近衛騎士団(4-10)

 孝弘達の前に現れた軽鎧達の正体。今回現れたのはその内、第三分団である。自ら名を明かした。神聖帝国には後装式小銃の存在があるにも関わらず戦い方がかなり古風。

 実力は近衛騎士団だけあって璃佳の殺気に僅かに怯むも全く崩れず相応のもの(BランクからAマイナスランク程度)だったが、相手が孝弘達に璃佳達と分が悪すぎた。Sランク五人とAランクとのエンゲージなど、悪夢である。


 ・ワタリビト(4-14)

 神聖帝国における転生・転移者の総称。歴史上存在が公式に確認されており、多大な功績を残した者もいるようである。

 日本や地球世界との接点は現時点では不明。アルストルムとの関与性も現在はほぼ無いとされているが確定ではない。


 ・イルテリラシア神聖帝国(4-15)

 神聖帝国の正式名称。詳細は4-15を参照のこと。

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