【KAC20211】【シェア✨ダーリン】💖✨💏✨💕✨💖美少女アイドルの彼女をシェアする✨😆🎶✨

オズ研究所 《《#横須賀ストーリー紅白

第1話 【シェア ダーリン】✨💏✨💕💕

 【シェア ダーリン】。




 なんて卑猥ひわい淫靡いんびな響きなのだろう。


 親友のアキラが作った造語らしい。



 要約すれば、【恋人ダーリン共有シェア】すると言う意味だ。

 不倫が御法度の令和いま時代に、逆行するような関係だろう。

 しかもコロナ禍だ。



 だが今……。



 僕の腕の中には【シェア ダーリン】がいた。



 名前はミルキーと言う天然系巨乳アイドルだ。



 僕の部屋のベッドの上で抱き合っていた。



 眩暈めまいがしそうなほど甘美で蠱惑こわく的な匂いが漂ってくる。



 ミルキーを抱きしめるとフワフワして気持ち良い。


 コロナ禍で『おうち時間』が増えたが全く苦にならない。

 むしろ彼女ミルキーと一緒にいられるのでありがたいくらいだ。

 


「ねぇ、ダーリン」

 ミルキーが僕に囁きかけた。


 ピーチのように甘い吐息が僕の鼻孔をくすぐる。



「ハ、ハイ」

 緊張で声が裏返ってしまった。

 いつにも増して緊張している。

 

 なにしろ僕は生まれて初めて彼女が出来たのだ。

 もちろん風俗も未体験なので真正 童貞チェリーボーイだ。


 

 

「ミルキーは初めてだから優しくしてね」


「ええ、ハイ」

 かすかに全身が戦慄わなないた。




 ミルキーとは夏休みに入ったばかりの頃に出逢った【シェア ダーリン】だ。



 流麗なピンクゴールドの長い髪には、僕が夏祭りに買った髪飾りがつけられていた。



 チープな安物だがことほかミルキーは気に入ってくれたみたいだ。




 ゆっくりと紅く妖艶なまめかしい唇が僕の元へ寄せられた。




「ゥ…ン」柔らかな唇が重なった。

 生まれて初めてのキスだ。





 事の始まりは、夏休みに入ってすぐアキラを呼び出したことからだった。


 



 ◇◇◇◇◇






 駅前の喫茶店に僕と親友のアキラが対面で話していた。



 彼に貸した借金を返して貰おうとしたのだ。約束の期日は、とっくの昔に切れていた。



 しかしアキラは、のらりくらりと話をので、さすがの僕も我慢の限界だ。



 

「どうしても金を返せねェッて言うのか」

 いきなり僕は怒りに任せて立ち上がった。



「待ってくれ 。

 ソーシャル ディスタンスを守れよ」

 対面に腰かけたアキラは苦笑いを浮かべ両手で距離を取るようガードした。




「ふざけんな!!

 何がソーシャル ディスタンスだ!

 まったくお前が、良く言うなァ~…!!」

 思わず、目の前のアキラに掴みかかろうと手を伸ばした。



「待て! 待っててェ~!!

 落ち着けよォ~。祐真ユーマ!!

 ここは、喫茶店の中だぞ!! 

 かよ!!」

 アキラは上手うまくディフェンスを取り、上体をのけ反らせけた。



「はァ、どっちがだよ。

 開き直んな! 今まで、いくら貸していると思ってんだよ」

 とは言うものの……。


 我ながら情けない。



 今さらだが、やっぱり悪友のコイツを信じた僕がのだろう。


 


 燦々と真夏の日差しが大きなウインドー越しに降り注いでいた。



 外は、優に三十五度は越えていそうだ。


 今日も間違いなく酷暑日だろう。

 まったくしてくる。


 昼間なので店内の客はまばらだった。

 


「……」

 近くの席で、女子トークを楽しんでいた女子高校生らも僕の余りの剣幕に言葉がない。


 多少、引き気味だ。



 ゆっくりと気を落ち着かせるため僕は、深呼吸をし席に腰を下ろした。


 まったく大人げない。

 目の前のアイスコーヒーをひと口飲んだ。

 


「ゴックン」歯に沁みるほど冷たい。

 氷がグラスに触れ、カランと心地好い音色をかなでた。



 ようやく少しだけ冷静になった。




 ついでに自己紹介をしておこう。



 僕の名前は高梨 祐真ユーマ

 二十歳の大学生。



 乙女座のAB型。170センチ、55キロの眼鏡男子だ。普段は温厚で滅多に怒らない。


 だが今日は久々に人前で怒った。

 


 喫茶店のテーブルを挟んで僕の正面にいるのが親友で幼馴染みの馬場アキラだ。


 そもそも こいつに『給付金』の半分も貸したのが間違いの元だった。



 店内には流麗でメロディアスなあ○みょんのピアノ曲が流れていた。

 

 『マリーゴールド』だろう。僕の大好きなバラードだ。

 どこか懐かしくノスタルジックな感じがする。


 だが、今はBGMを楽しんでいる余裕はない。



 今日じゅうにアキラに貸した五万円を返して貰わなければならない。

 あの時、借金を断ればこんな事にはならなかった。


 悔やんでも悔やみきれない。



 こんなルーズな友達ヤツに給付金の半分も貸した僕が愚かだった。



「良いだろ。祐真はデートする彼女も居ねえんだし、たいして金なんか使わないじゃん」


「ッるさい!! どんな理屈だよ。

 僕だって買いたいモノがあるンだ!」

 アキラと話していると段々、ヒートアップしていく。



「俺ッて、お前と違ってモテるじゃん。

 彼女もだろ。

 モテ過ぎるのも考えモノだな」

 自慢げにケラケラと笑った。



「お前、僕に喧嘩を売ってるのか」

 どうせ僕は彼女も居ないし童貞チェリーボーイだ。



 一瞬、僕はアキラを睨みつけ喧嘩腰になった。店内が妙に静まり返った。



「わかったよ。じゃ、こうしよう」


「あン」

 こいつの『こうしよう』は、いつもロクな提案じゃない。


 だが、このあとアキラは飛んでもない提案サジェスチョンをした。




「俺と【シェア ダーリン】しようぜ」




「なッ、何ィ! シェア ダーリン?

 なんだよ。それは」

 聴いたこともないフレーズだ。



「俺の考案した画期的なシステムだよ。

 来年度の『新語流行語大賞』間違いなしだ」

 満面の笑みを浮かべ自信満々だ。



「ウソつけ。お前は詐欺師か」

 口だけは達者なヤツだ。


 文句を言いかけると僕の怒鳴り声に反応したのか、早足でウェイトレスがやってきた。



「お客様、申し訳ございません。

 余り大きな声を出されると他のお客様のご迷惑になりますので」

 水をグラスに注ぎながら注意された。



「はァ、わかりました」

 イエローカードと言った所か。


 今度、注意されれば即刻、退場もやむを得ない。



「すみません」すぐに謝った。

 僕は可愛い女性には滅法弱い。


 

「ほらァ、佑真! あんまり興奮するなよ」

 いい気なモノだ。


「あン、誰の所為せいだよ。ッたく」

 

 親友アキラが提案する【シェア ダーリン】とは。

 仲良く【恋人をシェア】すると言うのだ。



「ほら、祐真は絶望的にモテないじゃん」

 あくまでアキラは上から目線だ。


「ぬうゥ、やっぱ喧嘩売ってるのか」

 いくら温厚な僕でも頭にきた。


「違うって落ち着けよ」

「お前と話しているとイラつくんだよ」



「よく鏡を見てみろ。お前はイケメンのムダ使いなんだよ」

 

「な、なに」

 イケメンのムダ使い……。


「俺よりお前の方がイケメンなのに絶望的にモテないだろう」



「ふン、ほっとけよ」

 確かに僕はそこそこイケメンだが、生まれてから一度も彼女が出来た事がない。



 もちろん童貞チェリーボーイだ。



「ッでェ、俺の余った彼女をさせてやろうッて話しだ!!」


「余った彼女をシェアだと」



「そォ、名付けて【シェア ダーリン】

 『新語流行語大賞』狙ってるから」

 


「何が、『新語流行語大賞』だよ。

 ッたく、【シェア ダーリン】だってェ」

 なんとなく怪しくて淫靡な響きだ。



「いやいやァ、これで絶望的にモテなかった祐真の彼女おんな日照ひでりの人生もうるおうッて話しだ」

 


「なんで、お前は上から目線なんだよ!

 冗談じゃないぞ!

 どうせ、『ブサイクなお前の彼女』を僕に押し付ける気だろう」

 ナニが【シェア ダーリン】だよ。

 そうはいくか。



「あのなァ、俺が、そんな悪人に見えるか」

 微笑んでスマホを操作し始めた。



「見えるよ。僕から見れば今のお前は、見えないよ」



「おいおい、わかった。詐欺師じゃないッて証拠の画像だ」


「え……」証拠の画像。



「ブサイクか、どうか。見てみろよ。

 ほら、この子だ」

 スマホの画像をこっちへ向けた。



「こッ、この子ォ?」

 僕が画面を覗き込むとハッと息を飲んだ。



「ン……」

 そこにはアイドルのような美少女が映っていた。


 

「どうだ。可愛いだろ。ミルキーだ!」



「ミッ、ミルキー!!」

 確かに可愛らしい。


 どこかのアイドルグループのセンターに居ても可笑しくないほど顔面偏差値の高い美少女だ。



「どうだ。彼女なら俺と【シェアダーリン】したいだろう」



「ああッ、まァ。そりゃァ、したいけど」

 こんな可愛らしい子がダーリンなら文句などない。



 一瞬で、僕はミルキーと言う美少女に恋に落ちた。ひと目惚れだ。



 だが、画像ではミルキーの姿を見ることは出来なかった。




 その夜、ミルキーは僕の部屋へ転がり込んできた。

 妖精のように可愛らしい小悪魔が。





 そして今では僕のベッドに寝転び、我が物顔で占領している。

 




「ン……、どうしたの。ダーリン!!

 そんなにジロジロ、ミルキーの顔を見て!!」

 ボクの視線に気づいたようだ。



「え、いや、ミルキーッて……。

 思った以上に可愛いから」

 恥ずかしくて顔が真っ赤になってしまった。



「じゃ、ちゃんと告白プロポーズしなさい。

 ミルキーの事が好きだって!!」



「ええェ……」告白プロポーズ……。

 思わずドキドキしてしまった。プロポーズなどしたことがない。



「あ、あの…… ミルキー!!

 ボクと付き合って貰えますか」

 勇気を振り絞って告白した。



「ン……」彼女は少し考えてもいるみたいだ。



「嫌よ!!」

「ええェ」そんな……。

 告白させておいて断るなんて。



「だって……、ミルキーとダーリンは、もう既にシェアしてるのよ」

「シェア……」


「そうよ。ダーリンはミルキーとエッチだけの関係なの」


「ち、違うよ!!

 ミルキーとは、ずっと……」

 そこまで言うと躊躇ためらった。


「ずっと、なによ」



「『お家時間』もずっと一緒に暮らしたいよ。出来るなら結婚して!!

 だからアキラと『シェア ダーリン』じゃなくッてになってくれよ!!」

 ギュッとミルキーを抱きしめた。



「ンゥ、ダメ……」

「そんなァ、どうして?!」



「だってミルキーは、みんなのダーリンだから」


「そんな……、僕だけのミルキーになってくれよ。どんなワガママでも聞くから!!」


「マジで」

「うン……」


「じゃ、ミルキー以外の女の子には目もくれたらダメよ」


「あァ、もちろんだ。

 愛するよ!!」


「フフ、祐真!

 じゃァ、キスして」

 ミルキーは両目を閉じて心持ち顎を上げた。


「あァ……」

 僕たちは唇を重ねた。


 この日は何度もキスをした。




 ゆっくりと時間を掛けて愛をはぐくもう。







 なにしろ『おうち時間』は、いくらでもあるんだ。









  



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