第998話 畑の宝を掘ってみた

「『畑の宝』ってわかる?」

  「明確な答えがないね」

「宗教関係者でも駄目?」

  「うん」


・・・

福音書から教わろう。


まず「畑」とは?




マタイ13章 (畑の毒麦)

37 イエスは答えて言われた、「良い種をまく者は、人の子である。

38 畑は世界である。良い種と言うのは御国の子たちで、毒麦は悪い者の子たちである。

39 それをまいた敵は悪魔である。収穫とは世の終りのことで、刈る者は御使たちである。

40 だから、毒麦が集められて火で焼かれるように、世の終りにもそのとおりになるであろう。

41 人の子はその使たちをつかわし、つまずきとなるものと不法を行う者とを、ことごとく御国からとり集めて、

42 炉の火に投げ入れさせるであろう。そこでは泣き叫んだり、歯がみをしたりするであろう。

43 そのとき、義人たちは彼らの父の御国で、太陽のように輝きわたるであろう。耳のある者は聞くがよい。



日本人は「畑」という言葉をよく使う。


「僕は『技術畑』の出身だよ」


福音書に当て嵌めると?


世界の→ 「『宗教』畑」




44 天国は、畑に隠してある宝のようなものである。人がそれを見つけると隠しておき、喜びのあまり、行って持ち物をみな売りはらい、そしてその畑を買うのである。



「宗教の畑に隠されている宝」は、全財産より価値があるという。


それは天国の門を通過するために必要なものだ。




 (天国は「真珠商人」)

45 また天国は、良い真珠を捜している商人のようなものである。

46 高価な真珠一個を見いだすと、行って持ち物をみな売りはらい、そしてこれを買うのである。




ここには「承認」という言葉が隠されている。


「天の国の承認」を受ける事が出来るなら、それは(高価な)良い真珠と同等以上の価値。


全財産を投げ売っても後悔しない。




 ■天の国が行う一網打尽


ここでイエスは「天の国の仕事」を告げている。




 (天軍が到来すれば)

47 また天国は、海におろして、あらゆる種類の魚を囲みいれる網のようなものである。

48 それがいっぱいになると岸に引き上げ、そしてすわって、良いのを器に入れ、悪いのを外へ捨てるのである。

49 世の終りにも、そのとおりになるであろう。すなわち、御使たちがきて、義人のうちから悪人をえり分け、

50 そして炉の火に投げこむであろう。そこでは泣き叫んだり、歯がみをしたりするであろう。

51 あなたがたは、これらのことが皆わかったか」。彼らは「わかりました」と答えた。




終わりの日に、この宝が開示され、天の国を呼び寄せる力を発揮するらしい。


その結果、悪者が掃除される。


ヒントは「倉」。




 (倉の中に見つかるかも)

52 そこで、イエスは彼らに言われた、「それだから、天国のことを学んだ学者は、新しいものと古いものとを、その倉から取り出す一家の主人のようなものである」。

53 イエスはこれらの例えを語り終えてから、そこを立ち去られた。




これほどの価値を持っている宝が倉の中にある?


それは「古文書に書かれている」という意味だろうか。


それがあれば

→ 天の国を呼び寄せる




 ■混同されて解釈


以下は、「呼び寄せる」という話じゃなく、(宝を)「預ける」という形になる。




マタイ19章(金持ちの壁)

21 イエスは彼に言われた、「もしあなたが完全になりたいと思うなら、帰ってあなたの持ち物を売り払い、貧しい人々に施しなさい。そうすれば、天に宝を持つようになろう。そして、わたしに従ってきなさい」。

22 この言葉を聞いて、青年は悲しみながら立ち去った。たくさんの資産を持っていたからである。

23 それからイエスは弟子たちに言われた、「よく聞きなさい。富んでいる者が天国にはいるのは、むずかしいものである。

24 また、あなたがたに言うが、富んでいる者が神の国にはいるよりは、らくだが針の穴を通る方が、もっとやさしい」。




こうした宝(財産)は「お荷物」となり、身軽に動けなくなるだろう。


明らかに13章とは、「別の宝」の話がされている。




 ■宝は「神の名」であった


倉の中を探している一家の主人は、巻物を紐解いているようだ。


ならば、「新しいもの」とか「古いもの」という記述も納得できる。


また、(宗教の)「畑に隠されている」という表現にも合致する


つまりそれは、全世界が求めていた創造主の名であり、「YHWH」としか教えないでいるうち見失ってしまった宝。


「天の軍勢を呼ぶ名」でもある。


たとえば、「電話番号」を紛失して、相手を呼び出せなくなった人のような事態なのだ。


「あの人さえいれば」

「助けてもらえるのに」


そんな彼に「嘘の番号」を教える者がいて、詐欺師に電話を掛け、一生を台無しにされてしまった。


下手をすれば、命も危ない。


だから、正しい名を呼んで正しい神に繋がる事が出来るなら、確かに全財産よりも価値がある。


実際、「全財産を出すから、正しい名を教えて欲しい」と告げたにしても、答え応じる人が出現してくれるだろうか?


出し惜しみをしているのなら、条件次第で応じてもらえるかも知れない。


しかし、全世界の学者たちの答えもこれ。


「ヤハウェだ」

「ヤハウェだ」


畑には、それしか見えず、どこに隠してあるかもはっきりしない。


しかし今、門を通過するキーワードがここにある。


→ イハウヘ


畑を掘ってみたら、それが出て来た。


人生の全てを掛けて到達した結論がこれであった。


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