第875話 祈りの乱反射

「祈りを光に例えたよ」

  「なるほど」

「真っ暗の中の懐中電灯だね」

  「的は?」

「鏡の神!」


・・・

光を的に向けると、鏡の神が反射を返す。


イエスと父は一体なので、直接でも間接でも祈りが届く。


但し、「イハウヘ」の名を必要とする。


相手を特定しない祈りは、危険なのだ。


この聖句に当て嵌る。




マタイ 6:6

だから、あなたが祈るときは、奥まった自分の部屋に入って戸を閉め、隠れたところにおられるあなたの父に祈りなさい。そうすれば、隠れたことを見ておられるあなたの父が報いてくださる。



「66」の数字の意味は


→ 「乱反射」


イエスは普段から父の名を教えていたので、弟子はその相手に祈りを向けていた。


しかし、「主への祈り」という場合、的が定まっていない。


つまり「66」の聖句は、「神の名を知らない人々への注意」と捉えるべきだろう。




 ■ハンナの祈り


サムエルの母であるハンナは、祈りによって子供を得た人。



教訓:祈りの相手は?


「万軍の岩」


ヘブライ語なら、


→ イハ・オ・ヨラド


ところが日本でさえ、経年変化で訛りが生じた。


→ ヤオヨロズ

 (これは別の神)


この名で祈るなら、光は乱反射で散ってしまう。



サムエル記には、子供の無い女の悲しみが書かれている。


これは女性の悩みだから、男性には理解し難い。

愚かなオナンの話はその教示。




サムエル記第一 1 章

1 エフライムの山地のラマタイム・ゾピムに、エルカナという名の人があった。エフライムびとで、エロハムの子であった。エロハムはエリウの子、エリウはトフの子、トフはツフの子である。

2 エルカナには、ふたりの妻があって、ひとりの名はハンナといい、ひとりの名はペニンナといった。ペニンナには子どもがあったが、ハンナには子どもがなかった。

3 この人は年ごとに、その町からシロに上っていって、万軍の主を拝し、主に犠牲をささげるのを常とした。シロには、エリのふたりの子、ホフニとピネハスとがいて、主に仕える祭司であった。

4 エルカナは、犠牲をささげる日、妻ペニンナとそのむすこ娘にはみな、その分け前を与えた。

5 エルカナはハンナを愛していたが、彼女には、ただ一つの分け前を与えるだけであった。主がその胎を閉ざされたからである。

6 また彼女を憎んでいる他の妻は、ひどく彼女を悩まして、主がその胎を閉ざされたことを恨ませようとした。

7 こうして年は暮れ、年は明けたが、ハンナが主の宮に上るごとに、ペニンナは彼女を悩ましたので、ハンナは泣いて食べることもしなかった。

8 夫エルカナは彼女に言った、「ハンナよ、なぜ泣くのか。なぜ食べないのか。どうして心に悲しむのか。わたしはあなたにとって十人の子どもよりもまさっているではないか」。

9 シロで彼らが飲み食いしたのち、ハンナは立ちあがった。その時、祭司エリは主の神殿の柱のかたわらの座にすわっていた。

10 ハンナは心に深く悲しみ、主に祈って、はげしく泣いた。

11 そして誓いを立てて言った、「万軍の主よ、まことに、はしための悩みをかえりみ、わたしを覚え、はしためを忘れずに、はしために男の子を賜わりますなら、わたしはその子を一生のあいだ主にささげ、かみそりをその頭にあてません」。

12 彼女が主の前で長く祈っていたので、エリは彼女の口に目をとめた。

13 ハンナは心のうちで物を言っていたので、くちびるが動くだけで、声は聞えなかった。それゆえエリは、酔っているのだと思って、

14 彼女に言った、「いつまで酔っているのか。酔いをさましなさい」。

15 しかしハンナは答えた、「いいえ、わが主よ。わたしは不幸な女です。ぶどう酒も濃い酒も飲んだのではありません。ただ主の前に心を注ぎ出していたのです。

16 はしためを、悪い女と思わないでください。積る憂いと悩みのゆえに、わたしは今まで物を言っていたのです」。

17 そこでエリは答えた、「安心して行きなさい。どうかイスラエルの神があなたの求める願いを聞きとどけられるように」。

18 彼女は言った、「どうぞ、はしためにも、あなたの前に恵みを得させてください」。こうして、その女は去って食事し、その顔は、もはや悲しげではなくなった。

19 彼らは朝早く起きて、主の前に礼拝し、そして、ラマにある家に帰って行った。エルカナは妻ハンナを知り、主が彼女を顧みられたので、

20 彼女はみごもり、その時が巡ってきて、男の子を産み、「わたしがこの子を主に求めたからだ」といって、その名をサムエルと名づけた。




ハンナの祈りは聞かれた。

彼女は傍目に無言に見えたが、そうじゃなかった。


声は聞こえずとも、言語中枢は「神イハ」に向けられていた。



もし、祈りの相手がはっきりせず、あるいは目標を散らした状態なら、「祈りは乱反射」を起こしてしまうだろう。


どこから応答があるかも定まらず、それは鬼を喜ばせる「危険な空き」なのだ。


我々は光を収束させ、結果をしっかり受け取りたい。


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