第688話 「契約の内容」が見える朝

「日本は一神教だね?」

  「そう、結論はそれ」

「いつ正体が見えるの?」  

  「もう近いうち」

「どんな形で?」

  「夜明けの光が契約を照らす」

「なるほど」


・・・

個人なら、

『選んだ夫』を慕うのが自由。


しかし「国家」の場合、一致した認識が求められている。

(象徴的な妻だから)


『妻』(国)

『夫』(神)。




 ■反省を忘れた『妻』


戦争で焼夷弾の雨を降らされ、原爆を二発食らった日本が、

当然持つべき反省はこれだろう。


「夫はなぜ守ってくれなかったの?」


長期を費やしてでも、突き止めるべき謎である。


しかし、考察は何も無し。


『妻』が傷害を受けているのに、眼の前の『夫』が平気でタバコを吸っているとしたら・・・


流石に『妻』も考えるだろう。


ところが戦後復興の忙しさで「敗戦理由」を考えもしなかった。


これが、「『日本』という名の『妻』」である。


他国は思っているだろう。


あの国は、『見捨てた夫』と、今も連れ添っている。




 ■真剣な分析


多くの人命や財産を奪われた戦争で、「なぜ『夫』は守ってくれなかったのか?」・・・


→ 出張していた?

→ 知っていて放置

→ 眠っていた

→ 妻に怒っていた


これらを、日本最上位の人々が、『考えない』というのは奇妙。


反省は、当然の課題であるし、信仰心の質も読まれる。



旧約の時代、ヨシュアがこの問題に直面した。



ヨシュア記7 章(アカンの罪)

1 しかし、イスラエルの人々は奉納物について罪を犯した。すなわちユダの部族のうちの、ゼラの子ザブデの子であるカルミの子アカンが奉納物を取ったのである。それで主はイスラエルの人々にむかって怒りを発せられた。

2 ヨシュアはエリコから人々をつかわし、ベテルの東、ベテアベンの近くにあるアイに行かせようとして、その人々に言った、「上って行って、かの地を探ってきなさい」。人々は上って行って、アイを探ったが、

3 ヨシュアのもとに帰ってきて言った、「民をことごとく行かせるには及びません。ただ二、三千人を上らせて、アイを撃たせなさい。彼らは少ないのですから、民をことごとくあそこへやってほねおりをさせるには及びません」。

4 そこで民のうち、おおよそ三千人がそこに上ったが、ついにアイの人々の前から逃げ出した。

5 アイの人々は彼らのうち、おおよそ三十六人を殺し、更に彼らを門の前からシバリムまで追って、下り坂で彼らを殺したので、民の心は消えて水のようになった。




指導者ヨシュアは、

失意と疑問に満たされた。




6 そのためヨシュアは衣服を裂き、イスラエルの長老たちと共に、主の箱の前で、夕方まで地にひれ伏し、ちりをかぶった。

7 ヨシュアは言った、「ああ、主なる神よ、あなたはなにゆえ、この民にヨルダンを渡らせ、われわれをアモリびとの手に渡して滅ぼさせられるのですか。われわれはヨルダンの向こうに、安んじてとどまればよかったのです。

8 ああ、主よ。イスラエルがすでに敵に背をむけた今となって、わたしはまた何を言い得ましょう。

9 カナンびと、およびこの地に住むすべてのものは、これを聞いて、われわれを攻めかこみ、われわれの名を地から断ち去ってしまうでしょう。それであなたは、あなたの大いなる名のために、何をしようとされるのですか」。




神からの答えがあった。




10 主はヨシュアに言われた、「立ちなさい。あなたはどうして、そのようにひれ伏しているのか。

11 イスラエルは罪を犯し、わたしが彼らに命じておいた契約を破った。彼らは奉納物を取り、盗み、かつ偽って、それを自分の所有物のうちに入れた。

12 それでイスラエルの人々は敵に当ることができず、敵に背をむけた。彼らも滅ぼされるべきものとなったからである。あなたがたが、その滅ぼされるべきものを、あなたがたのうちから滅ぼし去るのでなければ、わたしはもはやあなたがたとは共にいないであろう。




ヨシュアの態度こそ、指導者が持つべき気質。


→ 原因を徹底究明

 (そして答えを得る)



旧約の神は特に、背教や逸脱行為に厳密だった。


それで、ヨシュアの態度は当然なのだ。



ならば、現代日本はなぜ自己反省をすっ飛ばして平気なのだろう?


「過ちは繰り返しません」?


ならば、「何が過ちだったか」をはっきりさせなければならない。



日本は実質一神教。


光と眼力で問題を洗い出し、民に知らせて徹底させるのが指導者であり、ヨシュアはそれを跨がなかった。




 ■日本の夫は「天の神」


聖書分析では、こうなる。


→ 多神教の夫→ 『世』の神

→ 一神教の夫→ 『天』の神


国家内部に雑多な神が存在していても、『妻』として慕う神こそが『夫』である。



神社の「御輿」は、「契約の証」。

(天との契りをアピール)


しかし国民は、「契約の内容」さえ知らされていない。


それもやがて見えてくるだろう。


もう「朝」だから。


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