第571話 基本に立ち返る

「今年は、鬼が暴れたね」

  「そう、前半は」

「後半は違う?」

  「コツを学んだから」

「それは?」


・・・

「コツ」とは、

「『契約」への認識」だ。


「契り」は、鬼といえども無視できない。


聖書に一貫するこの思想を忘れてしまうなら、罠を踏む。



当初から鬼は、契約に沿って動いているからだ。


基本はエデン。



アダムとイブは、「鬼の組織に身を預ける」との契約を交わしている。




 ■善悪二元論では解けない


「悪魔」(デーモン)という存在は、鬼が人を騙すための罠である。


鬼の組織は「法規」を最重視しているが、そこが「悪魔との違い」だ。


例えば、独裁国家が質の悪い警察組織を活用するようなもの。


先日、「赤い龍」が構築した共産主義の話で考えたが、


鬼が権力を持つと、まず「法」を乱立させる。


これに違反した…という名目で大勢の民衆を処罰し、自分たちへの生贄を堪能して来たのである。


正体を隠すため、必ず「敵」を擁立・・・


これに『民衆の敵』というレッテルを貼り付ける。


→ 大義名分を押し出す


人類社会にも、その『敵』の役割を担う暴徒が配備されている。


神々に化けた赤い龍の組織は、そうした『諸悪の根源』と戦う「演技」を続けて来たのである。



イエスがユダの都で戦った相手も、「サンヘドリン」と呼ばれる一種の警察・司法組織であった。




 ■聖書のテーマ「神との契約」


日本の崇拝では、「神との契約」が重視されており、「千木」を備えている。



【千木・知木・鎮木】チギ

社殿の屋上、破風(はふ)の先端が伸びて交叉した二本の木。

後世、破風と千木とは切り離されて、置千木となる。



鬼神と戦う選民なら、このように考えるべきだろう。


→ 「契り」はどうなっている?

→ 鬼は違反していないか?

→ 我々はどうか?


鬼が契約に背くことは重大な規約違反であり、存在そのものが許されない。



人類全体で考えると、「エデンの契約」を購うため、イエスは地上で命を支払った。


相手を『神』と思い込んで結んだ契約であっても、(その勘違い)は加味されないのである。




 ■ヤコブの十分の一契約は?


「私は十分の一を捧げます」


これは選民の祖であったヤコブ個人の契約であり、相手は「梯子の神」であった。


この梯子は、鬼の勢力が使っていたが、イエスの贖いが終わって外された。


天上での席を抹消されたため、龍は真っ赤な怒りを発して人類支配に専念する。


この時、思い出したのはヤコブの契約であった。


「子孫の十分の一を貰うぞ」


明らかに拡大解釈だ。


しかし、「契約」には違いない。


イエスの命は、エデンの契約からアダムの子孫を取り戻した。


ならば、その中に「選民」も含まれているはずではないか?


ところが、少し違っていた。


実は、ヤコブが結んだ契約は個人的な領域にある。


鬼はその契約を理由に、「選民の子供」を供え物として奪いに来る。


ヤコブの子孫は、どう対処すべきだろう。




 ■『後の神』に頼る


日本は戦争で、多くの息子たちを奪われた。


心すべきは、「ヤコブの契約」を「摩り替え」として使わせない事だ。


そのためには、「選民を守る」と契約してくれた「後の神との契約」を押し出すしかないのである。


「契約」を立証出来るのは


→ 契約の箱(神輿)


古代、ホレブの山でモーセ率いる選民が、危うく「前の神」と契約しそうになった時、


民の中に背教が起き、契約は中断した。


二度目の登山で、モーセは「後の神」から契約の証を受け取り、箱の中に収納。


これが、「選民の立場」を示す重要な証となっている。


「我々の立場は岩ノ上」


契約は、瀬戸際で切り替えされたのだ。


鬼にこれを示すには?


個人なら、心の描き板に記すべし。


「私の立場は『岩ノ上』」



国家なら、中央を占める至聖所に「契約の箱」を置く。


しかし鬼は、眠る人々を使ってそれを妨害した。


→ 神輿を地下に埋没


そして、国家を難儀に落とす。


こじ付けされた理由は?


「至聖所に契約の箱など無いぞ」


実際、鬼に契約の証拠を示せない状況にある。



今こそ目を覚まし、「基本に立ち返る」べき時である。


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