第456話 鬼に「あんぐり」は通じない
「『口をあんぐり』って言うね」
「うん」
「あれ、どんな状態?」
「怒るけど何もしない」
「それじゃ、やり放題よ」
「そんな感じ」
「どうすればいい?」
・・・
まず、日本語から。
【あんぐり】
呆れたり驚いたり無意識に口を大きくあけたさま。
英語ならこれ。
【angry】アングリー
1.怒った。
2.険悪な。
3.赤くなった。
認識、感情、心痛はあるが、
行動には至らないという意味。
これは、天使たちの心情だろうか。
【angel】エンジェル
1.天使、神に仕える霊者。
2.天使のような人。
3.守護神。
4.前触れ、前兆。
5.援助者。
彼らは、
「赤い龍」とその配下が人類に向ける仕打ちを、驚き呆れて眺めている。
「何をするのか」
「奴らは」
行動に移れない理由があった。
人類の祖が楽園で、「禁断の樹木」(赤い龍の勢力)を選んでしまい、その組織が「支配権」を手にしたからだ。
取り戻すためには、「アダムと同等」の価値を有する御子が、地上に降りて命を支払うしか方法が無い。
アダムは「神の子」であったから、同じ「神の子」が必要となる。
イエスはマリアから「神の子」として生まれ、他の兄弟とは「まるで違う命」を有していた。
そして、地上で贖いを終える。
その後、人類は待つ期間が必要だった。
当時は経路も無く、神からの情報さえ受け取れない状況だからである。
現代になって、やっと大多数の人類に連絡手段のスマホが普及し、一斉に話が伝えられるようになった。
鬼は相当、暴れまくったが、天界が介入できない理由があったのだ。
もし中途半端な状態で介入すれば、赤い龍の懐に位置する人類は何をされるか判らない。
→ 人質だから
大洪水でさえ引き起こす鬼の勢力が、羊を囲っている。
この異常事態のまま、時が熟すまで「あんぐり」は続いた。
人類はその間、自力で鬼と戦うしかないのである。
御子は弟子たちに、その手法を間違いなく伝えている。
「曲がった世代よ」という言葉を思い出そう。
それは、「曲がった槍では鬼を突けない」というヒントである。
角度を間違えた軟弱な思念で、鬼に立ち向かうのは不可能なのだ。
その思念は、一直線の剛速球でなければならない。
人から放つ念の光(光の意思)は悪霊を撃破する力を備えている。(光の直進性)
イエスや父を曲解していると、その念は真っ直ぐじゃない。
(正しい名が必要)
※ 漢字なら「井の神」が正式、御子は「白石宇井」。
人類は夜の戦いを、単独で続けるしかなかった。
ヤコブのように。
夜明けが来れば、それも終わる。
しかし油断は禁物。
敏に見張るべし。
鬼に「あんぐり」は通用しない。
いつでも即座に、「光の石」を投げる決意を固めておこう。
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