第256話 「悟りの屋敷」だったのか?
「奇妙な屋敷だって?」
「そう、何かある」
「霊気?」
「かもね」
「雨漏りするのにね」
「それが気付きに繋がった」
「うーん」
・・・
そんな私に謎掛けとして、
聖書にあるこの言葉が迫る。
「彼を家の柱にしよう」
日本人でないと悟れない。
なぜなら、日本人多数は木造家屋で生活し、文化の中に「木の柱」が定着している民族だから。
ヨハネの黙示録
3:12
勝利を得る者を、わたしの神の聖所における柱にしよう。
国を「家」とみなし、普段から「国家」という言葉を使っている。
だからこそ黙示録の言葉も理解できるのだ。
そしてこれも。
→ 木造家屋の柱は腐る
なぜ、黙示録3章12節の言葉があるのか考えた事も無かったが、ここに来て理解できた。
→ 柱が腐ったので取り替える
「家の柱が腐ってた?」
「うん」
「つまり、日本の柱は腐ってるの?」
「そう」
「それ、大変じゃん」
「多分、もうすぐ判明する」
・・・
「腐った柱」じゃ、家を支えられない。
神は、「腐敗に強い者」(勝利を得る者)への挿げ替えを考えているはずだ。
ここで、腐敗の原因は・・・
■水分と腐敗と国家
黙示録にある示唆は、こうだ。
龍が女の後ろに追い付いて
→ 蛇が水を吐いた
「土がこれを吸い込んだ」とあるのだが・・・
それが実は、家の「床下の土」であったらしい。
蛇は、日本という国家の後ろに水を吐いたが、「雨漏り国家」ではそれが家の中に浸透・・・
結果、「柱」が腐ってしまうのである。
すると、
柱の人→ 天皇家(?)
役人であるという意見もあるが、やはり神の目からすれば老朽化した天皇の歴史だろう。
国家は要するに、「(柱の)強さ」に掛かっている。
雨漏り屋敷に住んでから、私は木柱の「強さ」を考えるようになった。
もし、乾燥していれば問題は生じない。
しかし、水浸しになった柱がどうなるかである。
森の落ち葉の下には、「腐敗菌」が住んでいる。
これが落ち葉を腐らせて自然界に戻す役割を担っている。
落ちた枝も、その菌が分解して自然に戻す。
我々に馴染みの菌は「麹」。
白いカビのように思えるが、醸造業では貴重な存在である。
その仲間には、湿った木材に浸透し、腐敗・分解させて形を崩してしまう菌が存在する。
自然現象だから、日本人は受け入れている。
もし外国人の感性であれば、こう思うだろう。
→ ペンキを塗ればいい
ところが、神の国の住人は、そうした形で柱を保護しようとしなかった。
こんな思考回路があるためだ。
→ 柱は神である
ペンキを塗るなど失礼の極み。
この信仰心で、国民は合理主義と反する歴史を刻んで来た。
神事に類する事柄なので、それは今後も変化しない。
柱には、「柱のような人物」も含んでいる。彼は、自力で家を支えなければならない。
であれば、生身の人が「強さ」をどのように保つというのだろう?
■自然の知恵に見習う
「醸造所」で、嫌われている菌がある。
それはなんと
→ 納豆菌
これがもし、醸造の現場に入り込むと、麹菌が死滅・・・
酒造りに支障をきたすと恐れられている。
おそらくこの「納豆菌」を持つ人が
→ 強さの人
この菌は麦藁の中に住んでいて年月に関係なく生存している。
先人はエジプトの時代からそれを熟知していたようである。
※ ヤコブの一族はエジプトに移住して増加した。
当時の人は、日干しレンガの中に刻んだ麦藁を混ぜ込んで、そのレンガで家を立てた。
こうすると、カビに強い家が実現する。
この手法をモーセの民は学んでおり、日本に来てからも刻んだ藁を壁土に練り込んで使っているのだ。
薄暗い土蔵にカビが繁茂しない理由もそこにある。
(先人の知恵だが、これは凄い)
これらは、私が雨漏り屋敷に来る前・・・
つまり、過去から持っていたバラバラの知識だった。
それがこの場所で一気に繋がったのだ。
鬼の追い込みが裏目に出るとは、この事だろう。
今は奇妙な気分に浸っている。
「悟りの屋敷」のその中で。
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