RPG喫茶

ジン

第0話 過去の自分とこれからの自分

一体いつからだっただろうか?戦うことでしか何かを守れない、そして力無き人々を救おうと1人のために10人を殺し、10人を救うために100人を殺し、100人を救うために1000人を殺し、英雄気取りで仲間に裏切られ、過去の自分をある意味では恨み、殺そうとまで思っていた私がただただ毎日平和に…誰とも争うことなく、ただの喫茶店のマスターとして一日一日を過ごしているのは。そしていつからだろう…そう思っていたこと自体を忘れ、この店や彼女達、従業員を守れればそれでいいと思い始めたのは…と朝早くから店の準備をしていた彼は思いつつ朝日が出ないうちからその日出すモーニングの準備をしていた。と言ってもこの日出す予定のものは厚切りトーストにバターを塗り、目玉焼きを乗せたもの、ウインナーソーセージ、サラダと簡単な物の為すぐ準備は終わる。手間のかかる物をモーニングにするといつも誰かが起き、私の仕事を手伝うのだが今日は単純だった為誰も起きて来ず、店内は静まり返っている。

「ふむ…たまにはこのような日があってもいいな」と彼は呟くと棚からグラスを出し、アイスコーヒーを注ぐ、そして灰皿を持ちカウンター席の端に座り、コーヒーをゆっくりと飲みながらタバコを吸う、戦いだらけの過去では考えられない最高の贅沢だ、と思いながら休憩していると彼女たちも次々と起き始め、街に気持ちが良い朝日が注ぎ始める。どうやら今日も晴れ晴れとした素晴らしい日になりそうだと思っていると店のドアが開き、鈴の音が鳴る。そうすると彼はドアの方へ向き

「ようこそ、君がどのような人間であれ料金を払うというのなら私は君を客として扱い、君の望む料理を出し、君の食欲を満たすと約束しよう。しかし君がこの店に害をなす、というのなら…店を守らせてもらう、さぁ君はどちらかね?」

とその日最初の客に問いかけた

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