梓の夢
如月雪人
プロローグ
暗殺者の夢
「……これで終わり、か」
血が付着したナイフを捨て、殺した相手を見つめる。
幼い頃から訓練されてきた彼にとって、ばれないように人を殺す事など容易だった。
そんな彼には、夢がある。
『普通に生きてみたい』
周りの人から見れば、何を言っているのか、と言われるかもしれない。
しかし、彼は普通の生活をした事がなかった。
部屋に閉じめられ、依頼が来たら人を殺す。
そんな毎日を過ごしていた。
ふと、ある日、アイスクリームを美味しそうに食べている子供を見つけた。
——ああいう風に、自由に伸び伸びと生きれたら、どんなに幸せなんだろう
それから、普通の生活と言うものに憧れるようになっていった。
普通の生活をしている自分を想像しては、心を躍らせる。
人を殺さず、あの子供みたいに自由に生きたい。
それが彼の小さな夢だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます