ついに復讐を一つ終わらせ、ヒロインたちを性的に食べて第一章完と言った様子なのでレビュー。
この作品の主人公は理不尽な導入でありながら、ハイスペックであることが確定しているため、物語進行に大きな障害がないことを予感させる。そして実際、良くも悪くも順調に物語が進んでいく。ストーリー自体はなかなか軽妙で面白く、勇者であるヒロイン視点で進み続けるのも新鮮で面白い。
面白いのだが、恐らく読者はどちらかと言えば主人公に対し感情移入しているのであって、ヒロインの勇者はエロゲー攻略対象の一人という認識になりがちだろう。
そうなると読者は喰われる側の視点で読み続けることになるため、男性からすれば「男より女の子に注目したいのに男ばかり目に映る」、女性からすれば「いくら魅力的な子でも他に女がいるしな」と双方から違和感が生じるだろう。しかも導入での主人公と部下のちぐはぐなやり取りが面白いだけに、その点が際立ってしまう。
ただ繰り返すことになるが、ストーリー自体は作者らしく軽妙で良きファンタジーなので、寝取られ復讐系が好きな読者なら読む価値があるだろう。導入と本編で読み味のギャップが大きいので、あえて本編から読むのも良いかもしれない。