第20話 からかい返し
巨乳と超乳が現れた。
「ラヴリィちゃん、ブレスツお姉ちゃん!」
「だから、先輩を付けなさいって……」
「こんにちは~、シャイニちゃ~ん♡」
いつものように私をギュッてしてくれるブレスツお姉ちゃんのおっぱいは今日も甘露だよぉ。
「ふふふ、それにしてもあなたたちが男の子と一緒にご飯食べているなんて初めて見たわ。えっと……」
おっと、そうだった。そういえば紹介しないとだね。
「あっ、二人に紹介するね。彼は、セカイ・ジャスティスくん。昨日、私たちのクラスに編入してきた男の子だよ」
「え?」
「あら……それでは……」
私がそういうと、二人が少し驚いた顔をして、でもすぐに優しく微笑んだ。
「そう。では、君が期待の編入生くんなのね」
「あ、ども……えっと……」
「私はラヴリィーア。あなたの一学年上で、シャイニたちとは幼馴染なの。分からないことや悩みがあったら遠慮なく相談してね」
「へぇ~……こいつらの……ほ~、どうも」
爽やかに微笑んで握手の手を差し出すラヴリィちゃんと、それに応えるセカイくんなんだけど……うお、これはすごい!
何がすごいって、セカイくんが平然としていること!
綺麗で輝く黄金の髪、エメラルドの瞳、白い肌、細い体に見えて胸とお尻はボンバー級。
そしてお人形さんみたいに美人で全校生徒あこがれの的のラブリィちゃんに微笑まれて握手求められても、平然と淡白に挨拶してるよ。
セカイくん、鋼のマインドの持ち主!?
「セカイ……」
「ふ~ん……」
普通の男の子ならデレデレと鼻の下伸ばすのにこの対応。アネストちゃんもディーちゃんも少し感心した様子。
「あの~、私も自己紹介させてください~、同じく一個上の~、ブレスツです~」
「ん、うす」
―――――ッ!!??
その瞬間、私たちは全員ギョッとしてしまった。
「うおおおおおおお、うそおおおおお!?」
「うわ、な、なんだよ、オレンジ……」
「ウソでしょ!? ブレスツお姉ちゃんが目の前にいれば誰もがまずはその超乳、はちきれんばかりにバインバインにゆれるオッパイに夢中でガン見するのに、セカイくんはまるで乱れない!? うそでしょぉ!? え? セカイくんは賢者なの? 大賢者なの!?」
思わず声に出しちゃうくらいの衝撃。誰もがガン見して、すぐにハッとなって目を逸らす。
私だって女の子の特権であの谷間に顔を埋めてくんかくんかしちゃうし、なんだったらアレを枕にずっと寝てたいってぐらいのおっぱ枕を前にして、セカイくんはどうなってんの!?
「あらあら、シャイニちゃんったら~そんなに私のおっぱいが好きなのですね~♡」
「ちょっ、シャイニ! ここは食堂よ? みんなが……」
いや、私も大声で何言ってんのかもだけど、これは衝撃だよ。
「ん? ああ……確かにデケーな」
「あら♡」
「「「「ッッ!!??」」」」
お、男の子がブレスツお姉ちゃんに平然とそう言うなんて初めて! 男の子なんて陰でコソコソ「でかいよな~」って話してる感じなのに、それをセカイくんは……
「んふふふ~、本物ですよ~。触って確かめてみますか~?」
そしてブレスツお姉ちゃんも、あんなおっとりしてるけど、自分のおっぱいには確固たる自信を持っている。
だからこそ、特に反応も興味も示さないセカイくんに物珍しさを感じて微笑んでる。
で、実はちょっぴりイジワルなこともしたりするブレスツお姉ちゃんはからかうような感じでそう言うと……
「ん? ああ、本物だってのは見りゃ分かるさ。まぁ、揉んでいいなら揉むけど」
「へ……」
「「「「ッッ!!??」」」」
ちょおおおおおおおおおおおおおおい!?
ブレスツお姉ちゃんの必殺技。意外とイタズラ好きなところもあるブレスツお姉ちゃんのからかい冗談を平然と返した!
あれ言われるとみんな頭から湯気出して混乱したり、へたれ男の子たちは走って逃げちゃうのに!?
「ちょ、ブレスツお姉さん、そういう冗談はやめてください! 彼は女性を平然とビッチビッチという男ですよ!」
「あ、えっと~その~……あらあら……」
セカイくんの予想外の反応にブレスツお姉ちゃんも珍しく「あらあら」状態。
そしてアネストちゃんはムッとした感じ、そして嫉妬半分な感じでセカイくんにも詰め寄ってる。
「それにセカイ、あなた平然と揉むなどと言わないでください! あなたは揉んでいいといわれたら揉むんですか?! じゃぁ私が揉んでいいといったら私のも揉むんですか?」
いや、アネストちゃんも混乱して後半暴走してるの気づいてる!?
「あ? 別に揉むけど?」
「……ふぁ?」
揉むんかいッ!?
「え、で、でも、わ、私は、あの、できればそれはもっと親密になってからと言いますか……いえ、それ以前に今日の下着は全然……うぅ、こんなことならシャイニとこの間買ったアレを……明日からアレを身に付けないと駄目ですね……はう……でも、私はブレスツお姉さんと違って、その、お、大きくありませんし……殿方は大きい方がいいと……」
「あ? 胸なんて脂肪の塊だろ? 女の魅力の一つでもあるが、別にそれが全部じゃないからいいんじゃねぇの?」
「……そ、そうです……か……」
い、いつもなら、「ハレンチです」でビシッと怒るアネストちゃんがモジモジ照れ照れからの唇尖らせて拗ね拗ねからの再び照れ照れ。
なに、このかわいい生き物!? え? 私でも揉んじゃいたいよぉ!
っていうかアネストちゃん、アレ解禁しちゃうの!? この間買ったパンツとブラ! ヒモでお尻に食い込みで、胸やお股を小さいハートマークで覆っているだけの、アレを!? 風でスカートめくれちゃったらどうすんの!?
っていうか、それって揉むだけで済んじゃうの!? え? 私たち五人の中でアネストちゃんが最初にロストバージン!?
「とりあえず、せっかくだし揉ませてもらおうか? おっぱい先輩……パイセン? ブラウンの髪の色だから……よし、ブラウンビッチパイセン」
「え? あの、あ、でも、あゥ、あ……」
って、いかーーーん! 初めてカウンターくらったブレスツお姉ちゃんが、あわあわしてる!?
セカイくんが立ち上がって詰め寄って……ちょ……
「ちょ!?」
「ま、待ちなさいよ、セカイ!」
「そ、それは流石にダメよ!」
「お父様、お母様……私、婚前交渉してしまうかもしれません……あっ、でも孕んでしまったら学業と育児どちらを……学生の育休制度などありましたでしょうか?」
流石に止めないと! 一人妄想世界に飛び立っているアネストちゃんは置いておいて、私たちは……
「かっかっか、なんてな。冗談だ。いくら相手がビッチでも、やるわけねーだろ」
「「「「あっ……」」」」
「とりあえず俺をからかいたければ、胸の成長だけじゃなく、もうちょい身も心も妖艶になってから来るんだな。ブラウンビッチパイセン」
冗談かい!?
いや、思わずズッコケそうになった私たち。
ブレスツお姉ちゃんも「はうっ」ってなってる……恐るべし。
セカイくんは、もう大賢者どころかパラディン!? セカイパラディン!? すごいや、セカイくん。
「び、びっくりさせないでよ、セカイ……」
「え、ええ、本当にブレスツの胸に触るのかと思ったわ……」
「はぁ~、ど、ドキドキしてしまいました~……」
安堵して思わずドッと溜息漏れる私たち。するとセカイくんは少し切なそうな顔をして……
「いやぁ、俺ももっとガキの頃はガッツくぐらいだったし、確実に飛びついてただろうけど……今はもうそんなに……おかしいよな……きっと女関係で俺も色々あったからだろうけど……」
「セカイくん?」
セカイくん、あんた何歳なのさ! と思わずツッコミ入れたくなるような発言をするセカイくん。
だけど、私たちは知らなかった。
セカイくんはセカイくん自身もまだ気づいていないぐらい、結構根深く「性」に対してトラウマを持ってしまっていることを。
それに伴い、私たち五人のロストバージンがもうちょっと先になっちゃうことを。
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