第27話 交流会……?
午前中は少しずつ、でも中々の人が俺たちに話し掛けに来た。
同クラスはもちろん、他クラス間の交流を深めるための時間なので、先生から『少しでも興味をもったら話し掛けに行け。そして話し掛けられたら絶対に拒むことなく話せ』と言われているので、きちんと対応をしていた。
ここは全員学校全体の注目の的とも言えるやつしかいないからこの人の多さも仕方ないのだろう。
俺に来た女子のほとんどが好きなタイプを聞いてきたのは甚だ疑問ではあるのだが……彼女持ちに何を聞きに来てやがる。
そんな女子どもには『好きなタイプは凜』で統一して返しておいた。
……なんで答えを聞いた女子はみんな顔を赤くして帰ってくんだ?
首を傾げながら凜の方を見ると凜も顔を真っ赤にしていた。
凜は目が合うとプイッと顔を背けた。それから昼食まで一切口を利いてくれなかった。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
「………」
「………」
「お前らいい加減にしろ!」
「………」
「………」
はい、交流会の途中から凜が口を利いてくれなくて絶賛落ち込み中の連です……
「はぁ……仕方ない、凜?」
「……なに?滝」
「そんなんじゃ連が愛想尽かしてどっか行っちゃうぞ?」
「それはダメっ!」
「じゃあ、ほら。言わなきゃいけない言葉はわかるな?」
「……連、ごめんなさい」
俺は何も言わずに腕をバッと広げた。
いきなりのことにビックリしていた凜も意図に気付きすぐに抱き着いてきた。
ギュッと抱き締める。
「寂しかったんだよ?」
「……ごめん。顔見られたくなくて逃げてたら戻り際がわかんなくって……」
「なんで見られたくなかっの?」
「……だって連が好きなタイプ聞かれて私って即答するから嬉しかったし、それを聞いた人が私のところに来てからかってくるから恥ずかしかったし、みんな連を狙ってるみたいで嫌で、色々複雑な顔してたと思うから」
「隠したいのはわかるけど隠さないで?」
「でも……」
「俺は凜の全部を知りたいから、俺に凜のすべてを見せて?」
「……いきなりそんなこと言うの反則っ」
凜はまた顔を背けようとするがさせない。
「うん、テレて赤くなってる凜の可愛い」
「──っ⁉」
ほんと可愛い。いつまでも見てられ『パンッ』
「お二人さん、大変お熱いのは結構ですけどご飯食べる時間なくなるし、周りにも被害が出てるからその辺で止めとこうな?」
言われて周りを見ると、みんな食べるのを中断してこっちを見ていた。
一部の先生に至っては、近くの自販機にブラックコーヒーを買いに行ってた。なぜだ?
時間も勿体ないし、食べるとするか。
尚その後、近くの自販機からは根こそぎブラックコーヒーがなくなったそうな。
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