第24話 同棲開始……?

 その後、

 あーでもない、こーでもないと悩みつつ選び、途中で昼食を食べたりして、気付けばもう夕方だった。

 夕食は一回家に荷物を置いてから、レストランかどこかで食べても良かったが、凜がどうしても作りたいと言ったので、近くのスーパーに寄ってから帰った。

 夕食はカレーだった。

 凜曰く、「こうゆうのの最初はカレー一択でしょ!」らしかった。

 ……ちょっとよくわからない

 まあ、美味しかった。

 材料も作り方も一緒のはずなのに、自分で作るよりも何倍も美味しく感じた。

 凜は納得いってなかったみたいだったけど。


 この家には3つ個室があるので、唯一空いてる部屋を使って貰うことにした。


 部屋で課題などを片付けていると、ドアを控え目にノックする音が聞こえた。


「どうした凜、入っていいよ」

「……失礼します」

「うん、取り敢えずそこ、ベッドに座りなよ」

「……わかった」

「それで?どうした」

「……聞きたいことがあって」

「なに?」

「………」

「………」

「………」

「聞きにくいこと?」

「……(こくり)」


 どうしても気になったから来たものの、いざ聞くってなると躊躇っちゃうか……


「何について聞きたいかは知らないけど、別に遠慮しなくていいよ」

「でも……」

「答えたくなかったら答えないだけだから。彼氏彼女になってその辺遠慮しすぎちゃダメなんじゃないかな?」

「……それもそうかも」

「うん、じゃあ……」

「まず、お金はどこから出てるの?親と仲悪いみたいだから仕送りなんてなさそうだし。それに広すぎる。しかも今日買った分も全部連が払っちゃったし……」

「なんだ、そんなこと?いいよ、ちょっとこっち来て」


 隣の部屋まで連れていく。

 そう、残りの一部屋は俺の作業場なんだ。


「……これは、パソコン?しかも何台も」

「そ、俺は配信者として活動してるの。動画とか配信のときは声の出し方変えてて、それがイケボって有名になって、結構みんな見に来てくれてる。ある時ぽろっと一人暮らしで親の仕送りもないって愚痴っちゃったら一気にスパチャ増えちゃって焦ったけどね」

「……なんて名前なの?」

「『黒頭巾のR』ってやつ。知ってる?」

「……知ってるもなにも大ファン。『LHR』っているでしょ?あれ私」



 一番最初にコメントしに来てくれた人がこんな近くにいたとは……


「……こんな身近にいたなんて、そう言えば声似てるかも。声変えてるなんて……地声かと思ってた」

「それは流石にちょっとね……」

「まあ、これからも応援してるから頑張ってね!」

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