第6話 噂……?
結局逃げ切ることができず、一緒に登校するはめになってしまった。
仕方ない、隣のやつは無視して、いつ見られても大丈夫なように切り替えよう。
「聞いてますか?!」
「はい、なんですか佐藤さん」
「……なに?その言葉遣いと顔」
「なに?……と言われましても生れつきこうですよ」
登校中、佐藤さんは終始不満そうな顔をしていた。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
「そいや今日、今年の二大美少女の片割れである佐藤さんと登校してきたらしいな、連?」
昼休み
購買で昼食を買い、席に戻ると
「なぜ?確かに登校中偶然会ったのでご一緒しましたが」
「ん?いやなに、あれだけフりまくった有名人が男と登校してるもんで噂になってたんよ『一緒にいたあの男が彼氏だから告白は全部断られたんじゃないか』ってな」
「バカバカしいですね。そうだったら『彼氏がいるので付き合えません』と断られてるでしょうに」
「そりゃそうだな」
「というかあんな人、こちらからお願い下げです」
「へえ~、そりゃまた何故?」
「……登校中にウザ絡みされまして」
危ない、余計なことは言わないようにしなくては。
「まあ、そんなことはどうでもいいでしょう」
「いやいや、どうでもよくないんですな~。ほら、噂をすればなんとやら」
滝につられて廊下を見ると佐藤さんが俺たちの教室を覗き込んでいた。
「あっ、鈴木君!」
ぱっ、と笑顔を浮かべて手を振りながら近付いてきた。
俺は深く溜息を吐き、空を仰ぎ見た。
ほんとに平穏な日常はどこいった……
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